みずたま将棋ブログ

みずたま(@go_tom_89)のブログです

詰将棋本出版ラッシュ

お久しぶりです、みずたまです。

今月は詰将棋の有力な新刊がいくつか出たので、ご紹介しておきます(詰将棋方面各位には同様のおしらせはすでに十分に出回っているですが、広く将棋ファンに知ってもらいたく記事にしました)。

 

いずれも詰将棋マニア向けですが、詰将棋マニアが普段どんな本を読んでいるのかを知りたい方にもおすすめします。

 

決して、7月末に飛び込みで記事を書いておこうなんて魂胆はないですないです笑

 

若島正『盤上のフロンティア』(河出書房新社

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詰将棋の巨人による作品集。2001年に出版された『盤上のファンタジア』のあとに発表された100点の作品を厳選して収録されています。ファンタジアからフロンティアにかけての作風の変化は著者も前書きで触れていますが、個人的には今回、駒数の多い作品が増えたことでかなりの歯ごたえの強さを感じてはいます。ちょっと死ぬまでに解ききることは難しいと思います。ご購入は全国の書店などにて。

 

『青い鳥 kisy一族作品集』

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TwitterのグループDMを通じて交流する詰将棋集団「kisy一族」による作品集。18人(名義含む)が各5局ほどの作品を出し合った78局が解説されています。気鋭の作家さんが知恵を出し合っただけあって、難解さやさわやかさを納得がいくまで追求した、心地よい作品が並んでいる印象です。最初に解いた第54番は個人的に結構お気に入りです。

全体を通して、10手台から20手台の作品が中心です。ご購入は以下のツイートをご参照ください。また、全詰連販売部でも扱いがあるようです(全詰連での郵便振替についてはhttp://park6.wakwak.com/~k-oohasi/zentumeren/ こちらの「販売図書」をご参照ください)。

 

『Limit 7 簡単明瞭な詰将棋アンソロジー』(風みどり責任編集)

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使用する駒が持ち駒含めて7枚以下の作品を集めた作品集。使用枚数ごとに分類されているのが特徴といえます。解説を担当する4人の詰将棋作家さんの知識量と分析力が色濃く反映されており、作品の価値を高めるのに一役買っています。指す将の詰将棋ファンの方にひとこと添えておくと、枚数が少ない詰将棋は必然的に実戦型になりにくく、大駒が乱舞する詰将棋になりやすいことにご注意ください。その点で「詰め将棋」よりも「詰将棋」としてのニュアンスの本になるといえそうです。

amazonなどで取り扱いがあるようです。

 

「この詰将棋がすごい!2019年度版」(Paradise Book 15)

日本チェス・プロブレム協会(JCPS)の刊行する詰将棋批評誌。3000円の定価ながら、300ページ以上にわたって熱い詰将棋論考が載せられていてお買い得にもほどがある。詰将棋マニア必読です。個人的には冒頭の特集「平成生まれの看寿賞作家たち」が、同世代で活躍する作家さんの対談ということもあり、興味深く読みました。それから久保さんの論文は抜き刷りが欲しいなと思いました。

ご購入はJCPSへの郵便振替にて。

 

 

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正直、今月出た詰将棋本を読むだけで冗談抜きに一生分の詰将棋労力が必要と思います。というわけで近年まれにみる詰将棋月間でした。8月も頑張ろう!