私の好きな棋譜【Hefeweizen編】
久しぶりに更新します!
以前はnoteのほうも更新していたのですが、つかいやすさ的にはてなに戻ってきてしまいました。また機会があればnoteの方にも戻ってみようかと思います。
さて、今回は突然始まった新コーナー「私の好きな棋譜」です。
Hefeweizenというソフトは将棋倶楽部24に放流されている公認将棋ソフトです。
振り飛車を得意としていて、特に三間飛車(角道の開閉問わず)のさばきが絶品なので、「最近のプロの三間飛車は負けが込んでいて...」とお思いの方は調べてみてください。
今回紹介するのは、今年1月に指された将棋で、相手は2700点台の強豪の方です。
▲振り飛車党強豪
△Hefeweizen
後手がHefe先生です。序盤はよくある展開だったので中盤から行きます。(▲△太字は実戦の進行)
このあたりはよくある感じの先手中飛車対後手超速の展開。
ここから△8六歩▲同 歩 △7三桂 ▲7八金 △6五銀(図)として仕掛けていきました。△8六歩で▲9五角を消してから△6五銀とするのは最近ではプロ棋戦でもおなじみになっていますね。
この△6五銀は、放置しておくと△6六銀▲同角△6九銀▲6八飛△7八銀成▲同飛△8六飛のさばきをみています。先手は▲5九飛 として割り打ちを防ぎますが、それに対しては△7六銀とすり込んでいきます。ついで ▲6八角と角を逃げた手に対し(図)、どのように指すのがいいでしょうか。少し考えてみましょう。
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上図から△8七歩(図)と垂らしたのが垂れ歩の好手。
放置すれば△8八歩成▲同金△6七銀成が厳しいのです。△8七歩に対して先手は▲7七銀として銀交換に持ち込みましたが、以下△同銀不成 ▲同 角 △6四歩(図)として局面が一段落しました。
どちらからも早い攻めはないと見て△6四歩と突いたのも落ち着いた手で、実戦のように次の▲5四歩 △同 歩 ▲同 飛の歩交換に対して △6三金の受けを用意しています。先手が▲5九飛と引いた図からまたHefe先生の攻めが始まります。
上図から、△6五桂 ▲6六角 △8八歩成▲同 角 △5八歩 ▲同 金 △8六飛
▲8七歩 △7六飛 ▲7七桂 △5六歩(図)と進みました。
長手順進めましたが、最初の△6五桂に▲6八角なら△4二銀が遊んでいた角を活用して絶品です。
△8八歩成に▲同金とするのも△6八銀とされる味があるので指しきれないでしょう。仮に8八角に対して△8七歩と叩かれ、▲7七角△8八歩成となった図であったと仮定すると▲同金は違和感しかありません。
そして最後の△5八歩に▲同飛ならやはり△6九銀の割り打ちが厳しい。振り飛車としては自然に受けるならば仕方ない手順が続きます。
実戦は上図から、▲8五銀と打った局面でまた考えてもらいましょう。
△7五飛には▲7六歩で飛が死んでいますが...
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図から、実戦は△7五飛 ▲7六歩 △5七歩成▲7五歩 △5八と ▲同 飛 △5七銀
▲5九飛 △4八銀成 ▲5六飛(図)と進みました。
飛を取らせている間に小駒を駆使して先手玉に迫ります。常人であれば捕獲された飛車を△8五飛として銀と刺し違えたくなるものですが、▲同桂で先手の角が働きだします。なにより、上図を見ると、先手の駒がダンゴ状態になっているのがわかります。居飛車も、こんなにきれいにさばけるものなのですね。のちに△3九金と打って寄せに行くことになるのですが、先手の持ち駒には飛しかなく、これでは受かりません。
ここからの次の一手が決め手でした(ひと目有段)。
終局までの手順は以下に載せますので、興味のある方は並べてみてください。
この新コーナー「私の好きな棋譜」は、反響があれば不定期でまた掲載してみようと思います(笑)
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△4二銀▲6一飛 △3九金 ▲4九銀 △同 金▲6五桂 △8八角成まで74手で後手の勝ち
【総譜】
▲強豪
△Hefeweizen
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △3四歩 ▲5五歩 △3二銀 ▲5八飛 △5二金右
▲4八玉 △1四歩 ▲1六歩 △4二玉 ▲3八玉 △6二銀 ▲2八玉 △8五歩
▲7七角 △7四歩 ▲3八銀 △3三銀 ▲6八銀 △7三銀 ▲5七銀 △6四銀
▲6六銀 △3二玉 ▲4六歩 △8六歩 ▲同 歩 △7三桂 ▲7八金 △6五銀
▲5九飛 △7六銀 ▲6八角 △8七歩 ▲7七銀 △同銀不成 ▲同 角 △6四歩
▲5四歩 △同 歩 ▲同 飛 △6三金 ▲5九飛 △6五桂 ▲6六角 △8八歩成
▲同 角 △5八歩 ▲同 金 △8六飛 ▲8七歩 △7六飛 ▲7七桂 △5六歩
▲8五銀 △7五飛 ▲7六歩 △5七歩成 ▲7五歩 △5八と ▲同 飛 △5七銀
▲5九飛 △4八銀成 ▲5六飛 △4二銀 ▲6一飛 △3九金 ▲4九銀 △同 金
▲6五桂 △8八角成 まで74手で後手の勝ち