みずたま将棋ブログ

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【将棋教室】こどもにいつも言っていること5つ

日ごろ教室でこどもたちに言っていることを5つにまとめました。

書いてみると結構当たり前のことですが、すべて実践できる子がいたら、それはかなり大人な子だと思います笑

 

(1)あいさつをしよう

これは当たり前のことですね。対局を始めるときは「おねがいします」、負けたと思ったら「負けました」、対局が終わったら「ありがとうございました」と声に出して言いましょう。特にこどものうちにこの習慣をつけてしまうのが楽だと思います。中には、初段くらいあってもこの「負けました」が言えない子もいたりします。大きくなればなるほどプライドが邪魔をしてしまうこともあるのかもしれません。将棋に負けると人格を否定されたような惨めな気持ちになることがあるのは非常によくわかりますし、それくらい悔しがるこのほうが実力が伸びることもあったりして、全体的にはなんともいえないのですが。あいさつ大事。

 

(2)手はひざの上に

対局中のこどもの様子を見ることがあったら、ぜひ気にしてみてください。強い子ほど、自分の手を指したあとで手がひざの上に行きます。必ずしもひざである必要はないのですが、要は将棋盤と駒台を隠さない位置ということです。囲碁の世界でよく言われるのが、碁笥に手を入れて考えないということ。石をじゃらじゃらさせるのはおっちゃんのやることです。大事なのは、将棋を手ではなく頭で考えることです。手が盤の近くに出ているうちは、集中力がそこに削がれてしまってまともに思考している状態ではありません。いきおい、待ったや着手し直しなどのミスも多くなります。私自身は、師匠に「自分の番で駒に触ったらその駒を必ず動かさなきゃダメなんだよ」と口を酸っぱくして言われました。

 

(3)駒の乱れは心の乱れ

なんだか格式ばった標語のようですが、これも(2)と同様に、同じ内容のことはどこの教室でも言われていることでしょう。駒はマス目の真ん中に、と木村一基九段も言っていましたね笑。盤上の駒の乱れを正し、持ち駒を揃え、きちんとした姿勢で対局できる子にはそうそうお目にかかれるものではありません。講師としても、人の振り見てで気をつけていこうと思います汗。ちなみにこの標語のように、コールアンドレスポンス型のフレーズはこどもたちにその意図が一発で伝わるのでおすすめです。

 

ここからは、将棋の内容のことになります。

(4)歩がぶつかったら取る、取られたら取り返す

将棋の基本は敵の玉を詰ますことですが、入門したてのうちはそんな高級な決着を迎えることはまずありません。王手放置や敵の駒の利きに玉が突撃するなどの反則で大局が終わるのはまだいいほうです。たいていは、どちらかが相手の駒を全部簒奪するまで終わらないというのが実情なのではないでしょうか。

つまり、将棋のルールを覚えて最初のうちは駒の損得で勝負が決まることが多いのです。ということは覚えることは一つ。駒をタダでとられないようにすることを教えましょう。つまり、相手が自分の駒を取ったらその次の手でその駒を取り返すことを教えるのです。教えている子が初歩の初歩であれば、駒の損得という高級な概念はまだ早いかもしれません。最初のうちは、取られたら取り返す、それができれば十分に立派な将棋が指せるのではと思います。それを繰り返すうちに駒の損得にも興味が出てくるようならばもうけものです。むしろそれがわからないと、頭金の1手詰なども難しいかもしれませんね。

歩がぶつかったら取るというのも駒得のための第一歩なので重要なのですが、こちらはこどもにはわざわざ言わなくても実践してくれること思います。ただし、講師との指導対局の際は、相手がぶつけてきた歩を訝しんで取らないことがあるので留意しましょう。

 

(5)成駒は引いて使う

 8枚落ちや6枚落ち、4枚落ちを教えていると、下手がと金や成銀・成香を作る機会があります。何も教えないと、こどもたちはその成駒を作りっぱなしにして龍と馬をぶんぶん振り回してくるでしょう。試す機会がある方は、ぜひ実験してみてください、保証します笑。考えればわかることですが、金や銀は敵陣の1番奥ではまったくといっていいほど働きません。持ち駒の金銀は一段目に打たないことと合わせて、成駒を引いて使わせてあげるようにしましょう。

※詰みがあったり、明確な理由があって1段目に金銀を打つのは構いません。その理由がどんなに(大人・上級者にとって)稚拙なものであっても認めて褒めてあげましょう。

 

 

今回はここまで。感想・コメントお待ちしています。