【中級への道】詰将棋を解こう(5手、7手詰)

詰将棋の本を紹介します。

岡田敏さんの『詰の花束』という本で、250ページ超えの詰将棋作品集。

通常の書店では買えないので、将棋会館や全詰連にてご購入ください。

 

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章立てが 実戦型百番、清涼詰百番、不成百番、合駒百番、あぶり出し百番、カオス百番と、詰将棋の基本技術が身につく優しい構成。

 

今日はこの中から5手詰と7手詰をあわせて4題ほど解いてみましょう。少し骨のある問題なので、初級者の方は無理せず眺めるだけでOKです。

 

各章から最初のほうの問題を採ることにしますが、あぶり出しとカオスの章は11手詰とかから始まるので...省略。

 

【1】1番 実戦型百番より(5手)

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【2】101番 清涼詰百番より(7手)

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【3】不成百番より 205番(7手)

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【4】合駒百番より 301番(7手)

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合駒ってもちろん難しいんですが、この技術を手に入れると詰将棋を解いたり作ったりする効率が格段に上がります。つまり、見える景色が違ってくるわけです。ですので一緒にがんばりましょう。

 

解答と解説は例によって後日発表します。

 

それにしてもこの本、良質な詰将棋が600題以上載って2000円って破格だよなあ...。

【中盤力をつける】有段者におすすめの名著

久しぶりに将棋の本の話でもしましょう。

 

私は小6くらいで初段になり、その後いろいろとゆるゆると将棋を楽しんでいたら四段くらいになっていて今に至るんですが、今回は初段になってからこれまで読んできた中で印象に残っている本をランキング形式で紹介してみます。ちなみに余談ですが、日本人が好きなものランキングの第1位はランキングらしいです。根拠レスですけど。

 

ちなみに、入門してから初段になるまでの教材に関しては、私が将棋をしていた頃とは比べ物にならないくらいたくさんの名著が生まれていますので、そのへんはまた今度テーマにしてみることにします。

 

ただ、ゆるゆるともうすこし脇道にそれた話を続けると、初段になるまでは得意戦法を1つ決めてその定跡のメインの手順をしっかりと理解するだけで割といけると思います。あとは余力があったら1手詰とか3手詰をスキマ時間にやるだけで初段にはなれると思います。5手詰とか難しすぎますから。

 

じゃ本題。自分の経験を振り返ってみると、初段から四段に至る間には、将棋の考え方を学ぶことが大事だったような気がします。一言で言えば大局観なのですが、序盤から中盤辺りまで、どのように将棋をデザインするか、相手の手にどのように対応するかというのは常に課題になっています。それと終盤は詰将棋ですね。

 

※以下はあくまで個人的な感想です。効果には個人差があります。

 

【1位】米長の将棋

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第1巻(文庫なら1,2巻)の居飛車振り飛車の有用性が半端なかったです。

1巻後半は終盤編なのですが、「終盤は駒の損得より速度」という格言が本当に理解できたのはこの本を読んだおかげです。中盤力をつけたい方におすすめです。

 

【2位】谷川浩司全集 昭和編2冊、平成編は年度別

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谷川先生は『米長の将棋』の文庫版の第5巻の解説を書かれているのですが、この本に大きな影響を受けたとのことでした。

谷川先生の将棋は序盤の組み立てから終盤の勝ち切り方まで一直線のきれいな将棋が多く、私自身も多大な影響を受けました。渡辺先生が全て並べたことでも有名な本ですね。

 

【3位】羽生善治の終盤術 1~3

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優勢な将棋を勝ち切る技術を明確に言語化した名著。

「なんとなく寄りそう」はまず寄らない、攻めの要となる駒を見極める、相手から清算できない攻め駒は簡単に清算しないなど、なんとなくわかったつもりだった終盤の指針を自分がいかに理解していなかったか、利用できていなかったかがわかって目が開かれるようでした。

 

【4位】戦いの絶対感覚 佐藤 森内 羽生 谷川

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この本は力作です。プロの実戦から序盤、中盤、終盤のポイントの局面を抜き出してその局面で何を考えていたのか、大局観を基に具体的な手順を導き出すという本です。

まさにプロの思考を形にした名シリーズです。私が衝撃を受けたのは森内先生の対神谷戦で、仕掛けの段階から後手で千日手を狙うという展開で、プロの研究の深さを垣間見ました。谷川版は角換わりの知識をつけたい方にはおすすめ。ちなみに私の一押しは佐藤版です。将棋を見る目が変わりました。

 

【5位】升田将棋選集

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時代をおおいに先取りした大棋士棋譜集。全部というわけではないですが、昭和の時代に平成の棋士が指しているような錯覚を与える棋譜も見受けられます。私自身、棋譜を見て感動するという体験はこの本を通して初めてしたような気がします。

ちなみに、大山全集も持ってはいるのですが、大著過ぎて、そして解説も決してすべての棋譜に付いているわけではないのでいつしか棋譜並べに挫折してしまいました笑

 

【6位】先ちゃんの泣き笑い

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若かりし先崎先生が順位戦を駆け上っていく様を振り返った自戦解説集。

これは先崎先生本人にしか書けないな、という対局エピソード、対局中の思考がこれでもかというほど載っていて、将棋とはこういうものだ、といういわゆる「筋」(と根性?)を身につけるために役立ちました。

 

【7位】光速の終盤術

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これは谷川先生が26歳の頃に書かれた終盤本で、私の知る限り棋書の中で最高レベルの難度で、正直私には難しすぎてまだあまり読めていません(見る程度)。羽生先生の『羽生の頭脳』を書かれたのが22歳の頃でしたし、若い頃の本はやはりレベル高いですね...。

 

【8位】上達するヒント

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名著 of 名著ですね、この本に関しては以前ご紹介しましたので省略します。

 

mizutama-shogi.hatenablog.com

 

【9位】読みの技法

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伝説の島研のメンバー(島、森内、佐藤)に羽生という超豪華な4名による、局面の捉え方、指し手の方針の立て方を綴った本。島先生が聞き役となり、各棋士に個別に意見を聞いていくスタイル。最後の対談も私は好きです。

 

【10位】永瀬拓矢

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これも以前ツイッターで紹介しました。有段者なら買って損はないと思います。

 

 

 

 とまあこんな感じで好きな棋書を紹介してみましたが、ここにある本は高段者には割と常識という本ばかりなので、迷ったら図書館や書店で確認してから手に入れてみてください。本屋で買うときは、レジで「みずたまのブログを読んで買いました」といってみてください。店員さんに「あ、そうですか...」と怪訝そうな顔をされると思います。(以上は冗談です。真面目に取らないでください。)

池袋西口公園古本まつりに行ってきました

みなさんこんにちは、みずたまです。

 

きょうはとあるフォロワーさんのツイートで池袋の古本市の存在を知り、早速時間を作って夕方に行ってきました。

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池袋西口公園と言えばあれですね、東京芸術劇場です。その劇場の前にある公園です。東京でも稀に見る規模の大きさで、45店から計50万点が出品されているとのこと。

 

会期は10時から20時で、26日まで(最終日は17時まで)。詳しくはこちら。

https://www.kosho.or.jp/event/detail.php?mode=detail&event_id=3652

 

今日の私は30分程しか時間がなかったので、割りと急ぎめで会場を回ります。よほどのことがない限り、とうぜん目当ては棋書です。

 


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まずはざっと会場全体に目を通します。どこに囲碁将棋コーナーがあるのか(そもそもあるのか)、大体どのくらい選別に時間がかかるのか見当をつけるのと、超大物があったときに先を越されないのが目的です。これに5分くらい。

 


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【ちゃんと棋書を見落とさないのが大事】

 

ぱっと見た感じ、今回はあんまり…という感じでしたが、気を取り直してじっくり見て回る2周目に入ります。周りの目はあんまり気にしないほうがいいでしょう。

 

ここでいくつかの古書店にて実戦集、名局集などが割と安く(1000円台で)売られているのが目に付きました。しかし「私持ってる〜」状態なので今回はスルー。格安の名著が将来ある将棋プレーヤーの手に渡ることを期待します。

 

残り時間10分ほどになったところで、ようやく囲碁将棋コーナーにたどり着きました。



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【全部を見せるのはさすがに野暮というもの】

 

今回は、2冊ほど買いました。

左はカニカニ銀や62飛戦法など、矢倉における急戦の定跡と実戦を扱ったマニア好みの本。右は先日紹介した横歩取りの名手、内藤先生による横歩取り指南書です。合計で700円と、満足の買い物でした。


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会場にはまだまだたくさん本がありましたので、是非一度足を運んでみてください。私の言っていた名著もまだ残っているかもしれませんよ。

 

【解答編】1・3・5手詰を解こう(10問)

お待たせしました、解答を発表します!

全問正解の方には、おめでとうの気持ちを差し上げます〜

 

【1】1手詰

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▲ 22香成まで1手詰。

21香成では23玉とされて詰みません。

 

【2】1手詰

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 ▲33銀成まで1手詰。

定番の開き王手。候補手はたくさんありますが、31香の利きを遮りながら23への逃げ道を塞ぐにはこれしかありません。

 

【3】1手詰

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▲ 14飛まで1手詰。

これも開き王手の問題。▲94飛など、左に飛車を動かすのは△44歩などの合駒が妙防で詰みません。

 

【4】1手詰

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 ▲31桂左成まで1手詰。

ちゃんと符号を書けましたか?

 

【5】3手詰

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 ▲12飛成△同玉▲22角成まで3手詰。

23玉や14玉を許すと詰まない。初手がすべてを解決する好手。

 

【6】3手詰

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 ▲12飛△同玉▲23金まで3手詰。

初手23金は15飛で、飛の守りが邪魔。両王手は強烈な詰手筋だ。

 

【7】3手詰

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▲11金△同玉▲21馬まで3手詰。

初手13金は同馬でやはり守りが邪魔。そんなときは「玉は下段に落とせ」を試してみよう。

 

【8】3手詰

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 ▲43飛成△同玉▲42角成まで3手詰。

初手33飛成は同玉で、23への脱出路が塞がらない。43に捨てれば角成ですべてをカバーできる。42馬は逃げられることに注意。

 

【9】3手詰

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▲54角成△同馬▲35飛成まで3手詰。

初手35飛成だと同馬54角成に34玉と逃げられる。中段玉を制覇できれば詰将棋初級者は卒業。

 

【10】5手詰

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 ▲31飛成△同玉▲32銀成△同玉▲33飛成まで5手詰。

気づいてしまえば絶対手の連続だが、最初のうちは両王手の筋に気づくのが大変か。この問題が解けたら自信を持っていいと思います。

 

詰将棋、気が向いたらまたこのくらいのレベルで出題してみますね。

 

【出典】

第1~4問:宮浦忍『宮浦忍詰将棋作品集』(2018)

第5~7問:海老原辰夫監修『解けうれ増刊号 詰将棋手筋集』(2014)

第8問:熊谷春海氏作、詰将棋パラダイス2015年6月号保育園

第9問:安倍英夫氏作、詰将棋パラダイス2017年7月号キッズルーム

第10問:室門健一氏作、詰将棋パラダイス2015年6月号保育園

 

解答・解説は後日発表します。

 

横歩たのしい横歩取り

今回は横歩取り戦法が経験してきた歴史を簡単に説明します。
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(画像は本文とは無関係です)

 

横歩取りを知らない方のために、初手から手順を見ていきましょう。細かい手順の解説は省略します。

 

【基本図までの手順】

▲76歩△34歩▲26歩△84歩

▲25歩△85歩▲78金△32金(基本図)

 


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【基本図】

 

大山・升田時代の棋譜を並べる限り、先手の初手76歩に対しては後手は2手目に84歩と突いて角換わりや矢倉にするのがひとつの時代の要請だったように読み取れます。

 

あるいは後手が振り飛車党ならば34歩とし、その後44歩としてノーマル振り飛車を目指すのがよく見受けられます。いわゆる「振り飛車は受け身だから後手がやるべき戦法」という常識があった時代ですね。

 

そのことを踏まえると、2手目に34歩と突きながら84歩と居飛車にする横歩取り戦法は、どこか力戦調の含みがあったのではないでしょうか。

 

【昭和前期】

木村義雄十四世名人、塚田正夫名誉十段の時代

 

基本図から24歩同歩同飛に23歩が多く指されていました。これに対して34飛と取るのが「横歩取り」の眼目の手です。「横歩3年の患い」と言いますが、果たして先手の飛車は無事に生還できるでしょうか。

 
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上図以下、88角成同銀25角(次図)

 
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両取りがかかりましたがこで32飛成!と切り飛ばして38銀と手を戻すのがよく知られた定跡で、局面自体は互角。図では36飛もあり、現在でも指されうる形です(菅井中川戦など)。

 

【昭和後期】

先の形は横歩を取るかどうか、またその後飛車を切るかどうかに先手の選択権があり、後手やや不満の感があります。そんな中、内藤國雄九段の構想が横歩取りを新時代に導きました。

 

【 基本図からの指し手】

24歩同歩同飛86歩

同歩同飛34飛33角 

 
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一歩損をしましたが、慌てず騒がず33角が新しい手。先手からの22角成を防ぎます。これで先手の飛車が26の地点に戻るのにあと2手かかるので歩損しても指せるという大局観。この33角戦法は今日でも常識の一手となっています。

 

この構想が披露されたのが1969年の第15期棋聖戦、▲中原誠名人との対局でした。横歩取り好きの間ではこの将棋は今でも語り草になっています(たぶん)。少なくとも、内藤國雄名局集(筑摩書房)には収録されていますよ。

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中原ー内藤戦

 

羽生竜王が七冠を達成したのもこの時代式の横歩取り戦法でしたね。

 

時代は下ってその後、1997年に中座真七段が、後手の飛車を84でなく85飛と引くいわゆる85飛戦法を披露して横歩取りにおける後手勝率に貢献しました。対戦相手の松本佳介六段が、後手の手が滑ったと思ったとか思わなかったとか…笑

 


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(松本ー中座、1997年8月、順位戦

 

85飛戦法も含めた33角戦法は当然優秀な構想ですが、もちろん勝率としては50%前後の互角の争いです。このへんは印象論ですが、さすがに後手60%までは行かないでしょう。

とはいえもとより先手に押されがちな後手番でここまで互角の戦いができるのは望外の僥倖(佐藤天彦名人は先手なら角換わり、後手なら横歩取りという作戦で一時代を築きました)。先手も対策に乗り出します。

 

【青野流の時代】

85飛戦法への対策として▲87歩を打たないで指す(旧)山崎流という指し方が流行りましたが、時代の中心とまではなりませんでした。

さらに時代は下り、青野照市九段が開発したのがいわゆる横歩取り青野流という戦い方。それまで34飛と横歩を取った飛は26まで戻るのが常識でした。

 
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それでは不満と見て、先手番の利を最大限に具体化したのがこの戦法。34飛を動かさないまま攻撃陣を充実させることで、後手が74歩と突くのを牽制しています。


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金井ー永瀬(竜王、2013年)が有名局。

 

青野流は現在でもA級順位戦プレーオフで指されるなど、俎上に上がっています。

 

【これから】

図は先週指された名人戦第1局。


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羽生ー佐藤天(名人戦1、2018年)

 

この局面で主流の△52玉に代えて、△62玉としたのが名人の工夫でした。

 

以下実戦は36飛84飛と進みましたが、そこで26飛!が突っ張った手。さらにそこから88角成同銀44角と進展。


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ここでもし互いに居玉なら、図以下21飛成88角成同金同飛成に31竜同金33角の王手龍取りで決まります。

 
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(参考図)

 

以下実戦は激しい攻め合いになりました。

 

横歩取りは現在も先手と後手の緩みない研究合戦が続いていますが、今回の名人戦の△62玉に対する▲26飛が成立するかどうかのあたりが、定跡の落としどころになるような気がします。

今後この形が指されるかはわかりませんが、今後の歴史を注目して見守りたいところです。

 

【まとめ】

昭和前期 △23歩と打つ横歩取らせ

昭和後期 互いに飛車先を交換する33角戦法

平成前期 △85飛戦法が後手に加勢

平成後期 青野流で先手に加勢

元号を記入をしてください)前期 青野流への対策が進化

将棋プレミアムを見よう

皆さん見てますか、将棋プレミアム。

月額1,000円(シルバー会員。他に500円のレギュラー会員と2,000円のゴールド会員があります)で囲碁将棋チャンネルの将棋番組が見放題というサービス。

 

http://www.igoshogi.net/shogipremium/

 

過去の講座や銀河戦といった公式戦のほか、各タイトル戦・朝日杯など公式戦の取材映像や「まなおが行く!」などのバラエティ番組もあります。「まるナビ」って観たことないんですけど、なんでしょうかね。たぶん棋戦状況の報道なんでしょうね(推測)。今は羽生先生の永世七冠達成を記念した映像特集もやっているみたいです。

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藤井聡太特集ページもできてました。


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いま見てみたら、詰将棋解答選手権チャンピオン戦の取材動画も上がってるみたいですね。目が離せません。

 

私のおすすめはやはり過去の講座です。

中でも私のお気に入りは以下の通りです。まず北島忠雄先生の中級講座は仕掛け周辺の手筋や読みをわかりやすく伝授する好シリーズ。


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つづいて中座真先生の横歩取り講座は、85飛型と84飛型の両方の定跡のメインラインを紹介する、定跡書になかなか載っていないお得情報満載の講座でした。


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阿久津主税先生の講座は1局を何回かに分けて丁寧に解説する自戦記スタイルでこれも勉強になりました。


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一番レベルが高いのは野月先生の講座かな…。

 

やはり映像での講座は本と違って見ているだけである程度は頭に入ってくるのでいいですね。盤駒を持ち出す必要がありません。

また、観るの方にはただひたすら推しの顔を見るという使い方もできるとかなんとか…やる人がいるかは知らんけど。

 

会員登録をせずとも、どんな番組があるのか検索することができるので、ぜひチェックしてみてください。1ヶ月ごとの契約なので、もしも気に入らなかったらすぐにやめてもそんなに損はないと思います。

 

言ってしまうと将棋プレミアムに上がっている動画を全部見るのは寿命が足りなくて無理だとは思いますが笑、それだけにどんな志向の将棋ファンにも一つはお気に入りの動画が見つかると思いますよ!

 

(なんでこの人頼まれてもないのにダイマするんだろうね笑)

駒落ち上手も頑張るぞい

昨日、青葉将棋クラブで指した将棋から3局紹介します。相手は5級〜初段前後の小学生の子どもたちでした。よきよき。

 

【1局目】飛車落ち


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 開始局面。なんだか飛車が足りませんが我慢。とはいえ振り飛車感覚で楽に指せるのが数少ない楽しみといえば楽しみでしょうか。

 


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子供あるあるその1。一目散に棒銀に来る。

これに対して上手としては、ギリギリまで棒銀をひきつけて一気に角交換をすることで銀を右辺で腐らせるのがいいでしょう。

通常の右四間飛車定跡など、棒銀以外の作戦に対しては角交換は上手にとって損な作戦なのに、将棋とは難しいものですね。

 

上図に続いて、▲38飛△45歩。

 


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サバキの目途が立ちました。

子供あるあるその2。角がぶつかったら真っ先に角交換。すなわち上図以下、33角成同桂ですが、上手から88角成と換える手に比べて明らかに手損しています。

 

以下、下手から桂頭を攻めて次図。

 


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手合い差を考えると、ちょっと上手の攻めの勢いを止めるのが難しくなってきました。少し進んで…

 


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この歩が入ると、もう平手くらいの形勢差になっていてもおかしくありません。実戦は以下28飛49角成同玉38金からバラして上手が攻めきりました。

 

下手としては玉を囲わずに攻めたのが問題で、上手からの反動が大きかったようです。

 

 

【第2局】飛香落ち

今度は別の子。よきよき。しかし…


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おや、子供あるある発動か?

 


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今回は玉を囲ってくれました(カニ囲い)。しかし少し焦ったのか、58金を入れなかったのは禍根を残しました。カニ囲いは58金まで組んで一人前なのです。

 

15同歩同銀に45歩。上手は切り札がこれしかありません。

 


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以下33角成(なぜこれをやるのか)同桂に77銀と、突然落ち着いてきました。しかし以下△46歩と突かれると、同歩には47角があり、下手少し困りました。

 
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本譜は48飛の辛抱ですが、15銀が泣いています。以下上手から、飛車を上ずらせてから28角の打ち込みには、44歩から43角と猛攻してきますが…


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ここで43同銀と銀の方で取るのが基本手筋。同歩成のつぎの32とがそっぽに向かうように仕向けるのです。以下は、取られそうな桂までさばいて振り飛車バンザイの情勢になりました。

 


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 子供との対局はスラスラ進んでいいですね。

 

【第3局】角落ち

初段くらいの子


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絶望の局面。サバくべき角がないので、必然的に将棋がゴツゴツしたものになります(飛車落ちはサラサラした感じ)。

 

序盤はすっ飛ばして仕掛けの局面を見てみましょう。

 


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上手はこれ以上自陣に手をかけても良くならないので55歩と動いていくくらい。以下同歩同銀に35銀が、銀がそっぽに行ってやや疑問でしたか。

 


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65歩と手がつくと矢倉は火の手が回るのが早いです。以下、▲24歩の反撃も厳しそうに見えますが…

 


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この△22歩の一手で攻めが止まってしまうのが痛い。以下▲23歩には放置されて何も起きません。

 


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35に角を出て53歩と叩きましたが、ここで53同金が①遊び駒の金を中央に寄せつつ②44金を見せ③歩切れを解消する味の良い手。仕立ては8筋の壁銀も手伝ってつらい情勢です。

 

さらに飛ばして次図。


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度重なる長考のすえ下手は49金と根性の受けを見せてきましたが、ここから56飛同飛49馬同玉56銀とさばいて上手指しやすくなりました


下手は左辺の金銀が遊んでしまいました。

 

【追記】おまけの詰将棋


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私はとくに駒落ち論者というわけではないのですが、駒落ちの定跡は万人が学ぶのために非常に良くできたもので、そのプロセスは時間をかけて学ぶ価値があるものだな、と実感した次第。

定跡を学び、定跡を踏まえて自分の考えを表現するという守破離ができれば一人前でしょう。