みずたま将棋ブログ

みずたま(@mizutama_shogi)のブログだよ

【将棋教室】こどもにいつも言っていること5つ

日ごろ教室でこどもたちに言っていることを5つにまとめました。

書いてみると結構当たり前のことですが、すべて実践できる子がいたら、それはかなり大人な子だと思います笑

 

(1)あいさつをしよう

これは当たり前のことですね。対局を始めるときは「おねがいします」、負けたと思ったら「負けました」、対局が終わったら「ありがとうございました」と声に出して言いましょう。特にこどものうちにこの習慣をつけてしまうのが楽だと思います。中には、初段くらいあってもこの「負けました」が言えない子もいたりします。大きくなればなるほどプライドが邪魔をしてしまうこともあるのかもしれません。将棋に負けると人格を否定されたような惨めな気持ちになることがあるのは非常によくわかりますし、それくらい悔しがるこのほうが実力が伸びることもあったりして、全体的にはなんともいえないのですが。あいさつ大事。

 

(2)手はひざの上に

対局中のこどもの様子を見ることがあったら、ぜひ気にしてみてください。強い子ほど、自分の手を指したあとで手がひざの上に行きます。必ずしもひざである必要はないのですが、要は将棋盤と駒台を隠さない位置ということです。囲碁の世界でよく言われるのが、碁笥に手を入れて考えないということ。石をじゃらじゃらさせるのはおっちゃんのやることです。大事なのは、将棋を手ではなく頭で考えることです。手が盤の近くに出ているうちは、集中力がそこに削がれてしまってまともに思考している状態ではありません。いきおい、待ったや着手し直しなどのミスも多くなります。私自身は、師匠に「自分の番で駒に触ったらその駒を必ず動かさなきゃダメなんだよ」と口を酸っぱくして言われました。

 

(3)駒の乱れは心の乱れ

なんだか格式ばった標語のようですが、これも(2)と同様に、同じ内容のことはどこの教室でも言われていることでしょう。駒はマス目の真ん中に、と木村一基九段も言っていましたね笑。盤上の駒の乱れを正し、持ち駒を揃え、きちんとした姿勢で対局できる子にはそうそうお目にかかれるものではありません。講師としても、人の振り見てで気をつけていこうと思います汗。ちなみにこの標語のように、コールアンドレスポンス型のフレーズはこどもたちにその意図が一発で伝わるのでおすすめです。

 

ここからは、将棋の内容のことになります。

(4)歩がぶつかったら取る、取られたら取り返す

将棋の基本は敵の玉を詰ますことですが、入門したてのうちはそんな高級な決着を迎えることはまずありません。王手放置や敵の駒の利きに玉が突撃するなどの反則で大局が終わるのはまだいいほうです。たいていは、どちらかが相手の駒を全部簒奪するまで終わらないというのが実情なのではないでしょうか。

つまり、将棋のルールを覚えて最初のうちは駒の損得で勝負が決まることが多いのです。ということは覚えることは一つ。駒をタダでとられないようにすることを教えましょう。つまり、相手が自分の駒を取ったらその次の手でその駒を取り返すことを教えるのです。教えている子が初歩の初歩であれば、駒の損得という高級な概念はまだ早いかもしれません。最初のうちは、取られたら取り返す、それができれば十分に立派な将棋が指せるのではと思います。それを繰り返すうちに駒の損得にも興味が出てくるようならばもうけものです。むしろそれがわからないと、頭金の1手詰なども難しいかもしれませんね。

歩がぶつかったら取るというのも駒得のための第一歩なので重要なのですが、こちらはこどもにはわざわざ言わなくても実践してくれること思います。ただし、講師との指導対局の際は、相手がぶつけてきた歩を訝しんで取らないことがあるので留意しましょう。

 

(5)成駒は引いて使う

 8枚落ちや6枚落ち、4枚落ちを教えていると、下手がと金や成銀・成香を作る機会があります。何も教えないと、こどもたちはその成駒を作りっぱなしにして龍と馬をぶんぶん振り回してくるでしょう。試す機会がある方は、ぜひ実験してみてください、保証します笑。考えればわかることですが、金や銀は敵陣の1番奥ではまったくといっていいほど働きません。持ち駒の金銀は一段目に打たないことと合わせて、成駒を引いて使わせてあげるようにしましょう。

※詰みがあったり、明確な理由があって1段目に金銀を打つのは構いません。その理由がどんなに(大人・上級者にとって)稚拙なものであっても認めて褒めてあげましょう。

 

 

今回はここまで。感想・コメントお待ちしています。

詰将棋本出版ラッシュ

お久しぶりです、みずたまです。

今月は詰将棋の有力な新刊がいくつか出たので、ご紹介しておきます(詰将棋方面各位には同様のおしらせはすでに十分に出回っているですが、広く将棋ファンに知ってもらいたく記事にしました)。

 

いずれも詰将棋マニア向けですが、詰将棋マニアが普段どんな本を読んでいるのかを知りたい方にもおすすめします。

 

決して、7月末に飛び込みで記事を書いておこうなんて魂胆はないですないです笑

 

若島正『盤上のフロンティア』(河出書房新社

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詰将棋の巨人による作品集。2001年に出版された『盤上のファンタジア』のあとに発表された100点の作品を厳選して収録されています。ファンタジアからフロンティアにかけての作風の変化は著者も前書きで触れていますが、個人的には今回、駒数の多い作品が増えたことでかなりの歯ごたえの強さを感じてはいます。ちょっと死ぬまでに解ききることは難しいと思います。ご購入は全国の書店などにて。

 

『青い鳥 kisy一族作品集』

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TwitterのグループDMを通じて交流する詰将棋集団「kisy一族」による作品集。18人(名義含む)が各5局ほどの作品を出し合った78局が解説されています。気鋭の作家さんが知恵を出し合っただけあって、難解さやさわやかさを納得がいくまで追求した、心地よい作品が並んでいる印象です。最初に解いた第54番は個人的に結構お気に入りです。

全体を通して、10手台から20手台の作品が中心です。ご購入は以下のツイートをご参照ください。また、全詰連販売部でも扱いがあるようです(全詰連での郵便振替についてはhttp://park6.wakwak.com/~k-oohasi/zentumeren/ こちらの「販売図書」をご参照ください)。

 

『Limit 7 簡単明瞭な詰将棋アンソロジー』(風みどり責任編集)

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使用する駒が持ち駒含めて7枚以下の作品を集めた作品集。使用枚数ごとに分類されているのが特徴といえます。解説を担当する4人の詰将棋作家さんの知識量と分析力が色濃く反映されており、作品の価値を高めるのに一役買っています。指す将の詰将棋ファンの方にひとこと添えておくと、枚数が少ない詰将棋は必然的に実戦型になりにくく、大駒が乱舞する詰将棋になりやすいことにご注意ください。その点で「詰め将棋」よりも「詰将棋」としてのニュアンスの本になるといえそうです。

amazonなどで取り扱いがあるようです。

 

「この詰将棋がすごい!2019年度版」(Paradise Book 15)

日本チェス・プロブレム協会(JCPS)の刊行する詰将棋批評誌。3000円の定価ながら、300ページ以上にわたって熱い詰将棋論考が載せられていてお買い得にもほどがある。詰将棋マニア必読です。個人的には冒頭の特集「平成生まれの看寿賞作家たち」が、同世代で活躍する作家さんの対談ということもあり、興味深く読みました。それから久保さんの論文は抜き刷りが欲しいなと思いました。

ご購入はJCPSへの郵便振替にて。

 

 

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正直、今月出た詰将棋本を読むだけで冗談抜きに一生分の詰将棋労力が必要と思います。というわけで近年まれにみる詰将棋月間でした。8月も頑張ろう!

【棋書】5月の新刊

遅くなりましたが5月の新刊紹介をサラッとしておきましょう。

 

升田幸三 振り飛車の神髄(日本将棋連盟

★★★★☆

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升田幸三振り飛車を指した棋譜を101局集め、石川陽生七段の解説を付した実戦集。1局につき4ページを当て、手の意味はもちろんのことその将棋が指された舞台背景についても説明する労作。ちょうど、同著者による『三間飛車名局集』と似た構成と思えば想像しやすいだろう。ひねり飛車の将棋も8局含まれていることに注意。

 

日浦市郎 将棋戦型別名局集8 居飛車穴熊名局集(日本将棋連盟

★★★★★

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ついに出たかという印象で、よっぽどのことがなければタイトル買いする一手。

よっぽどのことがなかったので買いました笑。

良くも悪くも、著者の正直な棋譜解析がそのまま文面に表現されていると思った。

 

小林裕士 急所を直撃!とっておきの雁木破り(マイナビ

★★★★☆

[å°æ è£å£«]ã®æ¥æãç´æï¼ã¨ã£ã¦ããã®éæ¨ç ´ã (ãã¤ããå°æ£BOOKS)

1雁木対▲3七銀型急戦、2雁木対腰掛け銀、3相雁木、4雁木△7四歩~△7五歩型、5実戦編という章構成で、現時点の対雁木作戦の中心変化を過不足なく収録している。最近の、雁木が自然水している状況にかんがみると、現代人必読とまでは言えないかもしれない。しかし偽りのない研究が好印象の仕上がりだ。

 

 

藤井聡太の鬼手 ~デビューから平成30年度まで~(日本将棋連盟

★★☆☆☆

藤井七段のデビューから2018年度までの勝局の中から、印象に残る手を次の一手形式で100問紹介する棋書。タイトルには鬼手とあるが、いたって平凡な(基本に忠実な)手が正解になっていることが多い印象。誤植が複数あるのが気になる。正直、このレベルなら将棋世界の付録か文庫版でよかったかなという印象。

 

週刊将棋 ポケット3手詰

★★☆☆☆

 

週刊将棋で過去に掲載された3手詰から218問を収録した新書版詰将棋本。

過去作と同様のレベル帯で、捨て駒が出てくる奇抜な問題が多い。

問題としては好作なのだが、将棋を覚えたばかりの初心者は絶対に解けないようなものが多いので、誤解を与える表紙という印象を持った。

 

高橋香代 はじめての1手詰 初級レベル1:子ども詰しょうぎ 1(シャスタインターナショナル)

★★★☆☆ 子ども、指導者向け

静岡で将棋普及にいそしむ著者が手掛けた、子供向け1手詰集。

https://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20190607/CK2019060702000020.html

こども向けとあって分量は多くなく、その分、小さな子の興味を引くようなイラストや文字がたくさん挿入されている。紙質の面でやや耐久性がないのは難点。

 

宗時宏 Munetoki詰将棋ザ・実戦型50(Kindle書籍)

★★★★☆ 高段者向け

[å®æãå®]ã®Munetokiè©°å°æ£ã¶ï½¥å®æ¦å50

7手から43手までの実戦型の詰将棋を50問集めた作品集。

見た目にも気を使っており、全編にわたり著者所有の美しい盤駒がカラーで見られるのはまさに眼福。

 

内田知見 囲碁 こういう人は上達しにくい 《限られた時間で強くなる考え方》Kindle書籍)

★★★★☆ 指導者向け

[åç° ç¥è¦]ã®å²ç¢ããããã人ã¯ä¸éãã«ããããéãããæéã§å¼·ããªãèãæ¹ã

福島県囲碁指導に当たる著者が、数々の生徒を見てきた中でみつけた法則性もとに囲碁上達のアドバイスをまとめた。将棋の話は出てこないが、心当たりのある人が読めば十分参考になると思った。本文中でも、こういう人は上達しにくいと、簡潔な10か条でまとまっているのが好印象。

 

clickshogi アマチュアの将棋上達法 (Kindle書籍)

★★☆☆☆

[clickshogi]ã®ã¢ããã¥ã¢ã®å°æ£ä¸éæ³

将棋倶楽部24で四段の著者が贈る、アマ四段になるまでの勉強法について。

きわめて当たり前のことを言っているが、それだけ上達に近道なしということの証左だろう。上達とは自分の将棋は間違っていると認めることとの内容は示唆に富んでいた。

 

ライコウ 『将棋文化・歴史・専門用語がわかる! 将棋番組が10倍楽しくなる本』(ビジネス教育出版社)

★★★☆☆ 観る将向け

観る将初心者および将棋に興味を持ち始めた方向けの将棋界入門ガイド。

奇をてらわない内容で、いつの時代にも1冊はあらまほしいガイドブックだ。

 

中倉彰子 ストーリーでわかる! はじめての将棋ナビ☆(講談社

小学生向け

小学生向けの将棋入門書。小学生の主人公・陽菜が将棋を通じて友達との交流を深める内容で、1冊を読み終えることで将棋の対局ができるようになるよう設計されている。

ストーリー部分は文字が多く、小学生にとっては読みごたえのある内容と思う。

 

 

必携!戦法習得アイテム

昨年、将棋世界付録の楽しみ方を3つの記事に分けて紹介しました。

 

昔の記事なのでそれの再掲を兼ねて、最近出た付録をすこしだけ紹介します。

 

mizutama-shogi.hatenablog.com

 

mizutama-shogi.hatenablog.com

 

mizutama-shogi.hatenablog.com

 

将棋入門者・初心者のかたが新しい戦法や得意戦法を手に入れるとき、知らない戦法の本を買うのは勇気がいりますよね。

 

そこで登場するのが将棋世界付録です。

1ページにつき1手だけ進める新設設計なのが魅力。また、1冊につき40問程度で定跡の主要変化だけを簡潔に示すのでわかりやすい。しかも電子版にすれば1冊120円程度で手に入るのでリーズナブルときた。

 

手筋や新手年鑑も魅力的ではありますが、個人的には戦法紹介のシリーズがおすすめ。

1 攻めて楽しい痛快!先手中飛車

 

2 縦横無尽! ゴキゲン中飛車の世界

[å®ç¨å¯º å­å]ã®ç¸¦æ¨ªç¡å°½ï¼ ã´ã­ã²ã³ä¸­é£è»ã®ä¸çï¼å°æ£ä¸ç2019å¹´4æå·ä»é²ï¼

 

3 すぐに指せる!角交換四間飛車

 

4 定跡次の一手 立石流四間飛車

 

5 相振り飛車 常識の手筋

 

これらを読んでよ戦法についてより詳しくなりたくなったら、大平武洋先生の「これだけで勝てる」シリーズ(マイナビ)がおすすめです。

(↓こういうやつ!)

ããã ãã§åã¦ã ç¸æ¯ãé£è»ã®ã³ã (ãã¤ããå°æ£BOOKS)

【王道を往く天衣無縫】佐藤康光将棋著作集

佐藤康光九段の将棋が王道を往く正統派の将棋であることが突然言いたくなったので、その著書についてまとめておきます。天彦九段についてはまた回を改めて。

 

【パーフェクトシリーズ(日本将棋連盟)】

・『康光流現代矢倉1~3』

康åæµç¾ä»£ç¢åã1ãåæ3ä¸éæ¦æ³ (ãã¼ãã§ã¯ãã·ãªã¼ãº)

1997年出版。20世紀的な組み合う矢倉を題材に、佐藤九段が指した将棋を通じて定跡を解説した実戦集。1巻では▲3七銀戦法を、2巻では森下システム、3巻では急戦を扱っている。これと同じシリーズで、『康光流四間飛車破り』が出版されている。康光流現代矢倉については森下九段と増田六段の師弟の間にこんなエピソードがある。

 

佐藤康光の将棋シリーズ】

・『佐藤康光の矢倉』

・『佐藤康光の力戦振り飛車

・『佐藤康光の一手損角換わり』

・『佐藤康光の石田流破り』

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いずれも2011年前後の出版。当時の流行の最先端だった各戦型について、九段の定跡研究を、実戦例をまじえつつ解説する。この記事を書くために改めて読んでみると、特に石田流破りなどにおいて、久保九段や戸辺七段といったスペシャリストを相手に自信の読みをもとに真っ正面からぶつかっている様子が見て取れる。居飛車党の旗頭にふさわしい棋士の将棋と言って過言ではないだろう。

 

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ここからの中盤のやり取りは、ぜひ本書『石田流破り』で解説とともに楽しんでもらいたい。

(上図からの指し手)
▲5四歩 △同銀右 ▲7四歩 △同 歩 ▲6六角 △8二飛
▲7四飛 △7三歩 ▲6四飛 △8六歩 ▲6一飛成 △6二角
▲5五歩 △6三銀 ▲7四歩 △8七歩成 ▲7三歩成 △同 角
▲6五桂 △6二角 ▲8三歩 △同 飛 ▲4五銀 △6四歩
▲5三桂成 △同 角 ▲5四歩 △6二角 ▲同 龍 △同 金
▲4四銀 △5五歩 ▲7一角 △5四銀右 ▲6二角成 △7八と(下図)

 

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【最強将棋塾】

佐藤康光の戦いの絶対感覚』(2000年)

『読みの技法』島朗羽生善治森内俊之との共著、1999年)

河出書房新社から出版されていたこの最強将棋塾シリーズは、プロが実戦で考えている内容を赤裸々に描き出した、将棋史に残る名著群といって差し支えない。『読みの技法』は提示された局面について羽生、森内、佐藤の島研メンバーが個別に指し手の方針や読み筋を語る、いまでいう「イメージと読みの大局観」のはしりである。「絶対感覚」シリーズは序盤・中盤・終盤の各局面が提示され、読者の考えと著者の考えを比較して読み進めるタイプの、当時画期的だった棋書だ。佐藤九段のほかに羽生、谷川、森内という版があるが、佐藤先生の将棋は、仕掛けから終盤まで一本の線を引いたような完勝型の棋譜が多く、個人的には強い影響を受けた。

 

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(佐藤―谷川、名人戦⑥1998.6)

こういった、飛車角金銀の接近戦における形勢判断や指し手の方針は、初段から高段に一皮むけるためのきっかけの一つになった記憶がある。

 

【実戦集】

・『羽生&佐藤全局集』(2006年)

æ°¸ä¹ä¿å­ç ç¾½çvsä½è¤å¨å±é

・『佐藤康光勝局集』(2019年)

天衣ç¡ç¸« ä½è¤åº·ååå±é

 前者に関しては何度も棋譜をならべて、間違いなく血肉になった棋譜集。最近、プレミアムブックス版で復活した。後者は今年出版された、佐藤将棋の集大成である。じっくり時間をかけて味わいたいものだ。本書の出版に際してはマイナビインタビュー記事があり、こちらも佐藤将棋のエキスがあふれ出ていて、良い。

 

本書に載っている将棋から、印象に残っている将棋を一局だけ紹介する。

 

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佐藤ー藤井、1997年8月、王将

 

有名局だが、相穴熊の定跡となった将棋。

この▲5五歩からどこまでが事前研究だったかはわからないが、終盤の入り口あたりまで、将棋盤の裏まで読みつくしていたのではないかと思わせる将棋だった。やはり佐藤九段の将棋は読みで真っ向勝負するのがかっこいい。

 

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将棋世界

将棋世界連載自戦記

1996年頃から2年間、自戦記を連載していた。また、2002年からも同様の連載を担当していた。後者を書籍化したのが『注釈 康光戦記』である(2004年)。注é 康åæ¦è¨ (æå¼·å°æ£21)

どうも私の自戦記は書くと難しくなってしまうようで、ファンの方から感想を聞いた覚えもほとんどない。実際には詰みがない局面で「以下詰み」と間違ったことを書いても問い合わせがなかったくらいだから、よほど読まれていなかったのだろう。(前書きより)

 ↑この自虐と内容のレベルの高さとのギャップが好きです。

 

・「我が将棋感覚は可笑しいのか?」(2002年6月号)

一言で言うと、佐藤九段自身は自分の将棋を序盤巧者と思っていたが、周りの人からは中終盤の力で勝っているように見られていたということにしびれを切らして書いた反論。当時のタイトル戦のポイント解説といった体なのだが、このころまではしっかりとした定跡の将棋を指しているような様子である。その後、2007年ころの 棋聖戦における(佐藤&渡辺)ダブル自戦記のあたりはもういわゆるその...変態将棋になっている。羽生佐藤全局集を見る限りは、2005年頃から「変質」がおこっていたようである。

 

【インタビュー記事】

読んでください。

・「棋士の感謝」(ライブドアニュース

 http://news.livedoor.com/article/detail/16242620/ 

東京弁護士会(PDF注意)

https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2018_01/p20-23.pdf

 

【その他】

可能な限り全部読んでいただきたい。

・『長考力』(本人)、『新手への挑戦 佐藤康光小伝』(上地隆蔵)

é·èå 1000æåã読ãæè¡ (å¹»å¬èæ°æ¸)æ°æã¸ã®ææ¦âä½è¤åº·åå°ä¼

羽生将棋に出合って佐藤将棋が変質していく様が面白い。

・「最強居飛車穴熊マニュアル」なつかしの定跡書

・その他監修本、詰将棋本、手筋本など

詰将棋に関してはなるほどの仕上がりで、こちらは微笑ましい。

 

【参考文献】

・『純粋なるもの』『島研ノート 心の鍛え方』島朗

など、島研主宰者の島九段による証言は多い。

他にも何かあれば追記していきます。

今日買った本

今日神保町で買った本たちを写真で紹介。

数字は金額。


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2500 1000

米長先生若い


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200 400

蛸島先生変わらない\(^o^)/

 


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800 1663

 


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300 300

 


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300 300

 


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300 300

 


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300 300

 


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300 300

 


f:id:mizutama-shogi:20190420231409j:image

300

 

ぜんぶで10000円しなくてお買い得でした。

 

最近はおかげさまで人生に余裕が出てきたので、語学の本も読むようになりそうです。

関口存男先生なつかしい(*´∀`*)


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昭和が遺した棋書【3選】

平成がそろそろ終わりますね。

 

私は平成の初期に生まれて、小学生のころ将棋を始めました。平成生まれとはいえ、棋書や棋譜など、将棋上達のうえでのメソッドは昭和までに生まれ、確立したものでした。その点、最近の若者たちを見ているとソフトでの序中盤研究に余念がなく、平成の上達メソッドを謳歌しているなと感じます。令和のこどもたちはどんな将棋を指すようになるのでしょうか。

 

今回は昭和と平成が生んだ将棋の名著を個人的な視点で選び、3冊づつ簡単に紹介します。(出版年が平成か昭和かというくくりでなく、執筆した棋士の活躍した年代でまとめることにします)

 

【昭和編】

(1)「大山康晴全集」

(2)米長邦雄「米長の将棋」

(3)熊谷達人「将棋次の一手

 

 

【昭和編】

(1)「大山康晴全集」

伝説の大名人が遺した棋譜集。初期のころは居飛車での戦いが目立ちますが、壮年期から本格的に採用した振り飛車はいまでも最高級の勉強材料として多くの振り飛車党の助けとなっています。大山将棋についてはエッセイ・技術書ともに副得本が多いですが、やはりそのいずれをも差し置いて、一次文献としての本書が語るものの大きさに圧倒されます。つい最近プレミアムブックスとして復刊されたので、未読の方はぜひご検討ください。

大山康晴全集 プレミアムブックス版|将棋情報局

 

大山将棋は、有利になってからの余し方が好きです。

図は大山先生の後手。

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島弘光ー大山(1972王座)

▲5三歩以下、 △6二金左 ▲3一龍 △4三飛 ▲3五角 △4六歩
▲5二歩成 △同 銀 ▲7五歩 △5七歩成 ▲7四歩 △同 銀
▲5七金 △5三歩

 

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(2)「米長の将棋」シリーズ

1980年ころに平凡社から出版されたこのシリーズは、米長邦雄永世棋聖が指した棋譜を戦型ごとに分類し、自戦記形式で解説した実戦集です。おもに中盤の仕掛けのあたりから終盤の入り口までを、自身の読み筋や棋理を交えながらわかりやすく説明しています。

私自身、指導者に言われた「駒がぶつかる(仕掛けの)局面はしっかり読まないといけないよ」ということばをテーマにしていたので、マイナビさんから本シリーズが復刊されたときは重宝して読んだ記憶があります。

 

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第3巻第17型より

▲2二歩以下、 △7七歩 ▲同 桂 △7四歩 ▲8六歩 △7五歩
▲8七銀 △7四銀 ▲2一歩成 △6三玉 ▲3一と △3五飛
▲同 桂 △7六銀

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再現性のある情報を提供するということが棋書の最大の役目であるとすれば、優勢の将棋を勝ち切る技術はその最大の魅力のひとつであるといえそうです(もう一つは初形の局面から優勢を作り出すこと)。米長先生の将棋というと泥沼流の逆転術というイメージが強いですが、そうした技術はむしろプロとしてはできて当たり前でしょうという表現をされていることが多い気がします。本局面の手順をいい例として、本書では、こうした優勢から勝ちへという流れが一本の糸のように表現されているところに出合うことができるでしょう。

 

(3)熊谷達人「将棋 次の一手 実戦の手ほどき」(弘文社)

1979年に出版された本書については少々説明が必要でしょうが、このツイートで代用させていただきます。

 

みずたま on Twitter: "『将棋次の一手』熊谷達人
1984年発行。終盤の妙手を探す問題が前半を占めるが、これは2011年に文庫化済み(終盤の鬼手)。本書の醍醐味は後半部「実戦の手ほどき」で、プロの実戦を題材として仕掛け周辺の好手を戦型別に約140例紹介してある。知らない手筋が多く驚いた。

#今日の棋書… https://t.co/wI3KDmCp8T"

 

出版当時のプロ棋戦で出てきた手を解説する「実戦の手ほどき」では、派手な手こそ出てこないものの、プロの実力と読みに裏打ちされた味のある一手が集められており、玄人好みの手筋集となっています。

 

たとえば実戦の手ほどき「居飛車編 第12題」から。

単に▲7四歩△同飛▲7六歩では先手不満です。

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原田ー広津戦(順位戦B1)

△8四飛以下、 ▲2四歩 △同 歩 ▲2五歩 △同 歩 ▲7四歩
△同 飛 ▲2四歩 △2六歩 ▲同 飛 △4四角 ▲2八飛
△2二歩 ▲7六歩と進行。

 

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2筋をへこませて、先手不満ない進行となりました。

 

この本は絶版になってしまっているのですが、街で見かけた際はぜひ手に入れてあげてくださいね。

 

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次回は平成編をやろうと思います。