12月の新刊
あけましておめでとうございます。
本年もみずたま将棋ブログをよろしくお願いいたします。
2019年を始めるにあたって、昨年12月の主要な新刊をまとめておきましょう。
1.本間博『妙手に俗手、駒余りもあり! 実戦詰め筋事典』(マイナビ)
ありそうでなかった本が出ました。実戦の終盤に頻出する詰み筋を多数収録。
従来の詰将棋作品と異なり、駒あまりや余詰もオッケーという決まりで、ただひたすらに玉の詰み筋を探していきます。
私自身とても参考になりました。
★★★★☆
2.高野秀行、岡部敬史、さくらはな。『将棋「初段になれるかな」会議』(扶桑社新書)
級位者2人がプロと話し合う中で出てきた、級位者が初段になるためのアドバイスをまとめた本。新書サイズで気楽に読むことができる。将棋上達の上で、モチベーターになる本はなかなかないので貴重かもしれない。
★★★☆☆
多少装丁は違うが、『〇〇で勝つための鉄則と心得』シリーズの続編。
細かい手順よりかは大まかな仕掛け~終盤の手の流れを紹介してくれ、三間飛車を指すうえでの指針となる。級位者向けだが、有段者が読んでも参考になるところはあると思う。
★★★☆☆
4長岡裕也『神速! 角換わり▲2五歩型 必勝ガイド』(マイナビ)
ゴリゴリの高段者向け定跡書。この辺の最新変化はYoutuberの方などアマチュアにも詳しい方が多いので、そのへんと比べてみるのも楽しいかもしれない。
★★★★☆
いまでこそ天真爛漫な力戦派というイメージがあるが、少し前までの佐藤先生の将棋は定跡重視で、超がつくほどの王道の将棋であった。本書はそのころの将棋がメイン。君島さんも構成に協力され、資料調査、棋譜解説の両面で大変に手の込んだ仕上がりとなっている。
私自身はそのころの佐藤先生の将棋を見て育ったので、今回こうした棋譜集が出るのは大変うれしく、また実際に並べてみて、筋がいい将棋を再び身につく感覚がしている。
★★★★★★★★★★
6宗時宏『Munetoki宗時宏精選詰将棋100』(Kindle書籍)
詰パラだけでなくツイッターでも活躍されている作家さんの作品集。
レベルは大変高い。それだけでなく、問題紹介に使用されてるのが美しい飴色の駒の写真というのも好印象。レベルは相当高いので、買われる前にサンプルでご確認ください。
★★☆☆☆
7高橋道雄『この局面は詰みがあります どう詰むかな?』(創元社)
実戦詰将棋集。相手の持ち駒を見て詰み筋を選ぶなど、実戦ならではの考え方が勉強になる。級位者向け。
★★☆☆☆
奨励会を年齢制限で退会した青年がふたたび将棋に打ち込むまでの人間模様を描くマンガ。第1巻は人物紹介で終わった感じがあったが、本2巻からは本格的に物語が進んでいく。プロ棋士による研究会に主人公の安住が飛び込んでいく様子はリアリティがあった。本書の将棋監修をされている方の記事があるのでまだの方はぜひ。
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