棋書紹介(5月その2)
英語で台形って言えますか?
trapezoidって言うらしいです。
なんか世の中、知らないことって多いですね。
今日は5月の新刊をまた紹介します。
前回の分はこれ。
★★★★★
ついに出ました。江戸時代(厳密にはもう少し前?)からの角換わりの名局を100局も収録し、そのうちの重要対局30局に谷川先生自らが解説を付した、永久保存版の名著。谷川先生が一時代を築く中で生まれた自戦も何局も選ばれています。
副読本は『谷川浩司の戦いの絶対感覚』(河出書房新社)でしょう。
・北島忠雄『すぐに使える!端の絶対手筋』(マイナビ)
★★★★☆
端攻めに関するエトセトラをわかりやすくまとめた好著。類書に安用寺先生の『全戦型対応!将棋・端の攻め方、受け方』という本があるのですが、北島先生のほうがよりスッキリ読みやすく、初・中級者に優しい印象。
本書はプロの実戦例における端の手筋を取り上げる章があるのがかなり好印象。また、端攻めから生じやすい詰み形(3手詰など)も数多く紹介されています。
・白石勇一『やさしく語る 碁の大局観』(マイナビ)
★★★★☆
囲碁の置碁(ハンデ戦)を打つ際の考え方を通じて、囲碁において必要な大局観という道標を示す本。とくに白番(上手)での考え方(黒石の集団を割くなど)を説いた本は珍しく、素晴らしい試みと思います。上手は初期配置で不利なので実戦的な手段に訴える必要がありますからね。そうした不利から勝つための考え方は大事で、(将棋でも)軽視できません。
将棋でも逆転術の本は貴重ですが、出されているものは例外なく名著です。
・楊嘉源『どんどん得する厚み活用法』(日本囲碁連盟)
★★★☆☆
アマの棋譜を手直しするレクチャーシリーズの第4巻。厚みを囲わずいかに利用するかを教える10局。
私自身ここで囲碁の棋書を紹介するのは、もちろん囲碁自体が楽しいからというのもあるのですが、基本的には「将棋の棋書にない方法論・記述方法を吸収する」意味で取り上げています。身の回りのすべてがヒントです。
エッセイでは、石田和雄先生の半生を記した新書も読みました。
これはみなさん読まれていると思うのであえての紹介はしません。
高見叡王おめでとうございます。
購入はしていないですが以下の詰将棋本も入門者にはおすすめです(本が誰かから私の手元にくればレビューします笑)。
6月は藤井聡太全局集や詰パラ本、上野先生の定跡本、suimonさんの定跡書、各種エッセイに森けい二先生の次の一手本、そして囲碁年鑑と本当に目白押しです。
5月の棋書は5月のうちに消化してしましましょう!