きのう買った本
棋書って毎日ふえていきますよね。
棋書が棋書を呼んで積み重なっていくこの感じ…
マイナビさんや浅川書房さんから、8月の新刊情報が出始めていて、また喜びが増えていきます。とくに久保先生の新刊(浅川書房)には注目ですね!
そして、積ん読とコレクションは違うということにも最近気づきました。
さてさて、今回は昨日買った本をご紹介。
将棋会館に行ったのでこれが手に入りました。
いやあ表紙がいい…
豊島棋聖の将棋はまさに王道という感じで、将棋の初期配置からの真理を追求しているようにも感じられます。そこが好きです(直球)。
付録もいい感じです。
北島先生は以前、雁木の付録も書かれていますね。そちらも読みやすく、大いに勉強になりました。未読の方は電子版(120円かな)でぜひ。
パラは正確には定期購読しているのですが、今月は気持ち分厚かったです。なんでだろ。
まあひと月かけてぼちぼち解いていきます。
&表紙だれ。
詰将棋解答選手権の冊子が今回も出来上がりましたね。今年は私は初級戦・一般戦・チャンピオン戦すべてに出たのでいつもより読み甲斐がありました。
今回は巻頭カラーがありながらお値段据え置き1080円でお得ですね。
お求めは詰将棋パラダイスから。
最後はこれ。
アマチュアには正式な棋譜データベースはないので、毎年買う必要がありそうです。
(解説なし&全棋譜コンプリートのDBが公開されたら年間3万くらいなら出すんですけどねえ…)
個人的にはこれで将棋年鑑の平成版はコンプリートが確定したので満足です笑
将棋年鑑の楽しみ方も、また今度記事にしようかな。
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あしたからは東急将棋まつりですね。
私も行くと思います。一緒に楽しみましょう!
将棋のおテスト
夏ですね。
あついんだかさむいんだか。
台風がきて家から出れないのと(出れないというほどではないが出る気がしない)、腰が痛くてだるいのでこんなものをつくってしまいました。
反響や要望があったらもうすこし続編というか上級編も作ろうかなと思います。
解答はまた後日。
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今後はこんなさくっとした記事を増やしていこうかなとも思っています笑
それではみなさん社団戦がんばってください~♪
7月の新刊紹介
久しぶりの投稿です。
(これ言ってみたかった笑)
7月の新刊紹介行きましょう。
★★★★☆
将棋世界に連載されている「関西本部棋士室24時」のコーナーを抜粋して書籍化したもの。基本的には1記事ごと単発の採録。
書籍化にあたって表紙の棋士による対談をあらたに掲載。対談では藤井七段に対する評判がバンバン出てくる。棋士の棋士に対する評価はなかなか表に出てこないだけに必見。全体として、雑誌を毎月読んでいる人にとっても読む価値がある一冊とおもう。
★★★★★
病気休場をめぐる1年間を記した闘病記。大事な知見として「うつは脳の病気で、自殺さえしなければかならず治る」ということを教えてくれる。基本的にはうつ病を経験した本人にしか書けない壮絶な苦労がベースにあるのだが、先崎流の文才にかかるとどこか前向きに読めるところが不思議だ。病状が回復に向かうに連れて人間模様の記述が充実していくのが印象的。
3.大平武洋『これだけで勝てる将棋 序・中盤のコツ』(マイナビ)
★★★☆☆
戦法のコツシリーズの序中盤編。
「四間飛車のコツ」「角交換振り飛車のコツ」などの各論は初段前後から高段者まで役に立つ内容だが、本書や「終盤のコツ」などの総論は「数の攻め」「終盤はコマの損得より速度」など、概して級位者向けの内容になっている。
4.飯島栄治『堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法』(マイナビ)
★★★★☆
飯島先生の引き角3部作(前2冊は文庫化済)の完結編。
本書は平手の最新型(もちろん角道オープン振り飛車)に加え、香落ちや飛香落ちという、引き角によって上手の1筋を狙う指し筋を多数紹介。飯島先生が以前から香落ち研究の大家であることを知っている方なら納得のラインナップだろう。振り飛車戦の手筋が満載で、プロ棋士との指導対局だけでなく平手将棋にも応用できるだろう。
5.将棋講座2018年8月号(NHK出版)
★★★★☆
森内先生の快勝譜が載っています。他にも自戦記・観戦記掲載のマストバイ。
6.『先崎学&中村太地 この名局を見よ!20世紀編』(マイナビ)
★★★★☆
復活を遂げた先崎九段が、愛する弟弟子の中村王座と20世紀の名勝負13局を語り合う。
木村大山戦のような超有名局もあるが、中村王座が真部-佐藤大五郎戦のような、今回はじめて知ったというような通好みの将棋にも触れていく。
先崎先生の語り口の特徴は、棋士の名前をフルネーム・肩書なしで呼ぶこと。歴史的な荘厳さが出る。
個人的には羽生谷川戦評での谷川先生の勝ち方・強さに対する評価が新たな発見だった。
7.浦野真彦『詰手筋DVDブック』(ルーク)
★★★★☆
級位者のための新たなバイブルが誕生。簡単な1~5手詰、約200題を通じて「邪魔駒消去」「駒の打ち換え」など、玉を詰ますための基本動作を学ぶ。この1冊を読みとおせば初段獲得に必要な詰みと読みの基礎体力が出来上がることだろう。(DVDはまだ見てないですが、たぶんたのしい)
※目次についてはAmazonなどに詳しく載っていました。
8.大橋拓文『アルファ碁Teach』(マイナビ)
★★★★★
アルファ碁本の最新本。昨年末に公開されたサイトAlphaGo Teachの評価値から見えてくるものとその活用法を伝授。AlphaGo特有の価値観を身につける「フラッシュ形勢判断」など意欲的な取り組み・指導法が勉強になる。イセドル戦などのレビューも。
詳しい紹介は割愛しますが、以下の本も入手しました。
小山竜吾『目指せ中級 序盤の基礎力アップ』 (NHK出版)
★★★★☆(級位者目線)
★★★★☆
暑いですが冷房のきいた部屋で将棋がんばりましょう!!
詰将棋全国大会
行ってきました。
年に一度、詰将棋作家を中心とした詰将棋愛好家が一同に介します。東京、大阪、名古屋+その他都市で4年周期で回しています。
(画像アップに関しては制限が多く難しそうです)
内容はその年の看寿賞などの表彰と、詰将棋解答、クイズなど参加型イベントの2つがメイン。
私は時間の都合で、最初の表彰のところで引き上げました。握り詰の作品紹介も見たのですが、やはり作家さんの技巧には感動するばかり。
私は物販コーナーもお目当て。
詰パラのバックナンバーが1冊100円なので、10冊以上まとめて入手しておきました。この辺の雑誌はほぼ持っていないのでありがたいです。
詰将棋作家の石川和彦さんによる過去の連載を書籍化したもの。詰将棋のあらゆる手筋を網羅した啓蒙書。
内容はこちらで無料pdf公開されています。
暁将棋部屋(@akatsukijyuku)さんによる同人誌。増田裕司先生や長谷川優貴先生のインタビューだけでなく、kisy先生らの詰将棋も掲載して充実。看寿賞作家によるバカ詰作品まで!
これは私がこの年の分だけ未入手だったのでこれを機会に入手。藤井聡太七段の級位者時代ですね。
詰工房の作品集。
打ち歩詰め不成をテーマにした作品100題を集めた個人作品集。
今回のお目当てはこれですね。
中編(19〜29手編)は私にとってはますます観賞用の向きに…
参考
楽しい全国大会、また東京開催のときに行ってみようかなと思います!
【棋書】小さな違いに気づき、理解する
平手でも駒落ちでも、1手の違いが大きな違いを生み出すことがあります。
そういう局面に出会うと、私はうれしく思います。局面に対する理解が深まるからです。
子供を指導する中では、次の例がよく出てきます。
8枚落ちから。
2筋に注目してください。いま棒銀が成功しようとしています。
ここから、▲24歩△同歩▲同銀△23歩(次図)
ここで、しっかり▲23銀成とできる子は、数の攻めを理解しているといっていいでしょう。以下△23同金▲同飛成とすすめば、下手(したて)大成功です。
では、前の図と似ている次の局面はどうでしょうか。
ある程度8枚落ちに慣れてきた子には、△22玉としてみます。
ここで先ほどと同じように▲24歩△同歩▲同銀△23歩と進んだとき...
ここで▲23銀成△同金▲24歩の手筋で金銀交換になって成功、と読める子は8枚落ち卒業です。
しかし、▲23同銀成とする子の9割は数の攻めがわからずにやっていて、銀を失って初めてミスに気づきます。※この局面からの解決策は今回は省略
このように、似たような局面でも少しの違いがある局面を考えることで、各人の局面理解が推し量れるということがよくあります。
【設問1】
たとえば、四間飛車対4五歩早仕掛けの中のこの局面。
ここで▲45歩ならよくある定跡型ですが...
変化球ぎみに▲25歩と合わせてきました。このとき振り飛車を持ってどう指しますか。
【設問2】
角換わり腰掛け銀の一昔前の先後同型。
ここからの▲45歩に対する評価と...
この形。何が違うんだと思われるかもしれませんが、△85歩が△84歩に換わっています。いわゆる一手損角換わりですね。
この形での▲45歩の仕掛け。どちらのほうが先手を持って有利にしやすいでしょうか。
【設問3】
角換わり相早繰り銀から。今度は後手の陣形に注目。
この2図、あくまで机上の研究や定跡書の受け売りではあるのですが、仕掛けの分かれは評価ががらっと異なります。私レベルでは有利な方と不利の法、どっちをもっても負けるのですが笑
【設問4】
横歩取り。
受験問題風に言うなら、「仕掛けの成否について2つの図を比べて論じなさい。」ですね。1000字以内で。
私が今日出合ったのは、次の局面でした。
【設問5】
四間飛車対左4六銀急戦。(実際は三間飛車なので後手が1手多く指している)
この形は▲39飛が定跡というコテイカンネンがあったので、とっさに正解手を指すことができませんでした。また、△64歩型か△63歩型かの兼ね合いが非常に難しい...。
ということで、比べるのはこの図。
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正解は気が向いたら載せます。
何がいいたいかというと、定跡外れの手を指されたときに、それを自分の有利に活かすことができるのは定跡の意味をきちんと理解している人だという当然のことでした。
悪手に悪手で返せば、最初の悪手は好手にかわるとは、この世界で散々言われていることですね。
遅くなりましたが今日の棋書紹介。
一手の違いに敏感になりましょう。
▲一手の違いを見抜く202問(増田裕司、創元社)
ハメ手破りも実力のうち。
▲完全版 定跡外伝(新井田基信・執筆 マイナビ)
みずたま将棋ルーム
やってはりました。
お越しくださった13名の方、ありがとうございました。
今回は通算4回目かな、いつも来てくださってる方、差し入れをくださる方ありがとうございます。
私のスタンスとしては、ふらっと立ち寄って一人でもみんなでも自由に楽しめる空間を目指しています。
その中で、「今日初めて会ったあの人おもしろかったな」とか、「将棋だけでなくあの人がやってるアレも試してみようかしら」みたいな新鮮な出会いが一つでもあるならばうれしいです。
そうやって楽しみながら視野が広がっていけたら素晴らしいと思います。
とにもかくにも、皆さん将棋好きですねえ〜(*´∀`)
【棋書】悪手に学ぶ上達法
皆さんは、棋書という言葉を聞いてどんな本をイメージしますか。
ひとによってそれは定跡書であったり、詰将棋の本であったり、もちろん棋士の実戦集ということもあるでしょう。
こんなのとか、
こんなのとか。
私の数少ない経験から言って、少なくとも日本における将棋の本においては、ある局面における正しい手を導き出すトレーニングという面が重視されているように感じます。
つまり、詰将棋本ならば、(読みのトレーニングという面もあるが)この局面で相手の玉を正確に詰ませるようになりましょう。定跡書ならば、ここでの最善の一手はこれです。他に有力なこの手は相手にこうやられると実はあまり良くならないんですよ、だから最善手を選びましょうといった感じ。
言い換えれば、局面が無の、あるいは凪の状態からスキルを駆使して局面を良くしていくこと。
しかし実戦ではそうは言っていられません。実際問題として、特にアマチュアの対局においてはどちらかのミスによって形勢や勝負が決まることがほとんどです。
また、そのミスも1局で1回とは限らず、ツイッター上に上がる局面などを見ていると、ミスにミスで応戦している場合もちらほら。
かりに自分と相手がどちらも50パーセントずつのミスの可能性を分け合っているとしても、2局のうち1局は「ミスからの立て直し」という発想が必要になってきます。
そして2局のうち残りのもう1局は、「相手のミスを咎める」という技術です。
こうした、不完全性にもとづく指導は、すくなくとも棋書におけるアプローチとしては極めて軽視されているように思います。
羽生先生はその著書『上達するヒント』のなかで、指摘しています。
これまでたくさんの数の将棋の本が出版されてきましたが、それが実際の対戦でどれくらい役に立っているのかと思ってきました。
つまり、本に書かれているのは美しく技が決まる場面ばかりで、それ以外の場面についてはあまり書かれていないのです。
ゴルフに例えるなら、ドライバーショットについては書かれているが、バンカーショットは無視されている感じです。将棋は、ゴルフ以上にバンカーの多いゲームです。そこからどのように抜け出すかがとても重要で、棋力の多くの部分をこれが占めている気がしています。(後略)
(羽生善治『上達するヒント』まえがき)
この点について私は、日本で出版される囲碁の棋書も同じような感覚を持っています。
(創元社などから翻訳されている韓国の棋書は結構リアリストな本がある印象です。)
さて、それを踏まえて棋書紹介。
1.アマの将棋ここが悪い!シリーズ(創元社)
主要な定跡手順や実戦の局面から、アマチュアが指しがちなミスを次の一手形式で指摘。正解の本筋の手と合わせて参考にしたい考え方が満載。
「序・中盤の急所」から「居飛車穴熊戦法」まで6冊すべてが電子書籍化されている。
2.高橋道雄『将棋の序盤でやってはいけない手』創元社
将棋に勝利の方程式があるとすれば、「高橋道雄+創元社=ぜったいに勉強になる」です。『強くなる初段虎の巻』なんかもいいですね。れ以上の紹介はすべて蛇足なのですが、いちおうひとつだけ。
『将棋の序盤でやってはいけない手』高橋道雄
— みずたま (@go_tom_89) March 13, 2018
戦型別の駒組み・仕掛けの局面に取材した「悪い手の見本集」で序盤感覚を磨こう。タイトルとは裏腹に、相手の狙いを察知することを学ぶ前向きなアドバイス集。高段者なら全て常識だろうが、知識の整理にも。矢倉の章はさすが力が入っている。#今日の棋書 pic.twitter.com/gIrG5vtG2D
3.武者野勝巳『将棋実力初段検定』(マイナビ)
初段を目指す人向けの次の一手集です。おもしろいのは、当時の読者モニターに協力を仰いで、正答率や級位者の実力のバロメーター、ありがちな間違いなどもフィードバックしていた点。
30年近く前なのでいまの初段よりかはレベルが高いかと思います。
4.阿部隆『阿部隆の良い手悪い手普通の手』(マイナビ)
NHKの将棋講座の内容をまとめた本ですが、けっこうレベルが高いです。
大局観を主題にした本で、正解手や凡手のほか、悪手となぜそれが悪い手なのかをちゃんと説明してあるのが画期的。いまでは絶版なのが残念です。
人間は必ずミスをする。大山康晴先生やこの米長先生に代表されるような、昭和の将棋界に色濃く見られた思想です。
『逆転のテクニック』米長邦雄
— みずたま (@go_tom_89) February 6, 2018
「上達するには詰将棋を解くことです。」指導者にどれだけ口を酸っぱくして言われても、何かにつけて努力を怠ってしまうアマチュアに対して残された著者からの最後通告。終盤に限らず、読みをおろそかにして勝ちは手に入らない。泥沼流逆転術も満載の名著。#今日の棋書 pic.twitter.com/VfK0TSFy7L