7月の新刊紹介
久しぶりの投稿です。
(これ言ってみたかった笑)
7月の新刊紹介行きましょう。
★★★★☆
将棋世界に連載されている「関西本部棋士室24時」のコーナーを抜粋して書籍化したもの。基本的には1記事ごと単発の採録。
書籍化にあたって表紙の棋士による対談をあらたに掲載。対談では藤井七段に対する評判がバンバン出てくる。棋士の棋士に対する評価はなかなか表に出てこないだけに必見。全体として、雑誌を毎月読んでいる人にとっても読む価値がある一冊とおもう。
★★★★★
病気休場をめぐる1年間を記した闘病記。大事な知見として「うつは脳の病気で、自殺さえしなければかならず治る」ということを教えてくれる。基本的にはうつ病を経験した本人にしか書けない壮絶な苦労がベースにあるのだが、先崎流の文才にかかるとどこか前向きに読めるところが不思議だ。病状が回復に向かうに連れて人間模様の記述が充実していくのが印象的。
3.大平武洋『これだけで勝てる将棋 序・中盤のコツ』(マイナビ)
★★★☆☆
戦法のコツシリーズの序中盤編。
「四間飛車のコツ」「角交換振り飛車のコツ」などの各論は初段前後から高段者まで役に立つ内容だが、本書や「終盤のコツ」などの総論は「数の攻め」「終盤はコマの損得より速度」など、概して級位者向けの内容になっている。
4.飯島栄治『堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法』(マイナビ)
★★★★☆
飯島先生の引き角3部作(前2冊は文庫化済)の完結編。
本書は平手の最新型(もちろん角道オープン振り飛車)に加え、香落ちや飛香落ちという、引き角によって上手の1筋を狙う指し筋を多数紹介。飯島先生が以前から香落ち研究の大家であることを知っている方なら納得のラインナップだろう。振り飛車戦の手筋が満載で、プロ棋士との指導対局だけでなく平手将棋にも応用できるだろう。
5.将棋講座2018年8月号(NHK出版)
★★★★☆
森内先生の快勝譜が載っています。他にも自戦記・観戦記掲載のマストバイ。
6.『先崎学&中村太地 この名局を見よ!20世紀編』(マイナビ)
★★★★☆
復活を遂げた先崎九段が、愛する弟弟子の中村王座と20世紀の名勝負13局を語り合う。
木村大山戦のような超有名局もあるが、中村王座が真部-佐藤大五郎戦のような、今回はじめて知ったというような通好みの将棋にも触れていく。
先崎先生の語り口の特徴は、棋士の名前をフルネーム・肩書なしで呼ぶこと。歴史的な荘厳さが出る。
個人的には羽生谷川戦評での谷川先生の勝ち方・強さに対する評価が新たな発見だった。
7.浦野真彦『詰手筋DVDブック』(ルーク)
★★★★☆
級位者のための新たなバイブルが誕生。簡単な1~5手詰、約200題を通じて「邪魔駒消去」「駒の打ち換え」など、玉を詰ますための基本動作を学ぶ。この1冊を読みとおせば初段獲得に必要な詰みと読みの基礎体力が出来上がることだろう。(DVDはまだ見てないですが、たぶんたのしい)
※目次についてはAmazonなどに詳しく載っていました。
8.大橋拓文『アルファ碁Teach』(マイナビ)
★★★★★
アルファ碁本の最新本。昨年末に公開されたサイトAlphaGo Teachの評価値から見えてくるものとその活用法を伝授。AlphaGo特有の価値観を身につける「フラッシュ形勢判断」など意欲的な取り組み・指導法が勉強になる。イセドル戦などのレビューも。
詳しい紹介は割愛しますが、以下の本も入手しました。
小山竜吾『目指せ中級 序盤の基礎力アップ』 (NHK出版)
★★★★☆(級位者目線)
★★★★☆
暑いですが冷房のきいた部屋で将棋がんばりましょう!!