みずたま将棋ブログ

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将棋世界付録の楽しみ【次の一手編】

前回は詰将棋・手筋の話をしました。

 

(1)詰将棋、(2)基礎手筋、(3)実戦手筋、

(4)定跡次の一手、(5)終盤次の一手

(6)棋士特集、(7)将棋豆知識、(8)読み物、

(9)データブック、(10)その他

 

今回は(4)から(6)の3つを取り上げてみます。

今思い出したのですが、将棋世界の付録に関するレファレンスといえば詰将棋パラダイスでしたね。なんか面白いですね笑

 

【4】定跡次の一手

これは語りだすと長いです笑。そしてここ数年のもの以外は電子化されていないので入手困難なのを覚悟してください笑。発行年順に行きましょう。

 

☆「定跡次の一手」シリーズ

岡崎洋「相掛かり」(1997年3月号)

堀口一史座「先手三間飛車VS後手持久戦」(1998年2月号)

飯島栄治「香落ち最前線」(2000年10月号)など

平成1桁台に主に出されたシリーズで、いわゆる基本定跡が載っています。基本定跡って常識のわりに意外と書籍化されていないので困りますよね。私もこのシリーズは見つけ次第入手するようにしています。

 

藤井猛「藤井矢倉の原理、藤井矢倉の攻防」(2011年10月、11月号)

当時はやっていた藤井矢倉(天野矢倉+角対抗)の基本的な狙い筋と応用的な研究を九段みずから次の一手形式で解説。観る将的には、表紙が尊い(語彙力)。


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佐藤慎一「極限早繰り銀戦法」(2017年8月号)

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流行のはしりですね。この付録に乗っている手順だけで私はけっこう勝ち星を稼げました。本書はのちに『史上最速の攻撃戦法 極限早繰り銀』として書籍化されました。この「付録→書籍」の流れは一種の黄金ルートですね。ほかにどんなものがあるか、よければ思い出してみてください。

 

北島忠雄「攻めて楽しい雁木戦法」(2017年11月号)

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雁木に関する基本的な狙いなどを記した本はそれまであまりなかったので、子の付録は結構貴重でした。北島先生の著作は丁寧かつ分かりやすい記述で、私はすべて購入して愛読しています。もちろん将棋プレミアムの解説動画も全部見た(語彙力)。

 

【5】終盤次の一手

こちらはちょっと息抜きで軽めにいきましょう。

 

内藤國雄「どっちが勝ち?【付録編】」(2012年6月号)

終盤問題の名手が付録に登場。

「天国と地獄」シリーズ

最終盤におとずれる究極の二択問題集。私が持っていたのは2015年12月号のⅢでした。

 

【6】棋士特集

次の一手問題集としては、ひとりの棋士を取り上げて、最近の将棋から戦いぶりを紹介するパターンもおなじみでしょう。名局集の出されていない棋士でもこちらなら、という場合も多いようです。基本的に編集部が書いているので本人のコメントなどはほぼないです。

 

「丸山ブック」(2000年9月号)

丸山忠久九段の名人獲得を記念して出されたもの。巻末に平成2年から12年までの戦績一覧が載っています。

 

棋聖の一手」(2004年11月号)

はしがきの冒頭「今回、昨年の棋聖位初防衛後から一年間の将棋の中から勝局を選んで次の一手を出題し振り返ってみる。」佐藤先生は2012年にも升田幸三賞受賞を記念して同様に「天衣無縫の一手」を出されています。

 

「羽生ブック」(1995年10月号)

ネーミングセンスがわかりやすくていいですね笑 七冠を獲る前のもの。80ページ使って2局をじっくり解説します。のちに続編も出されました。

 
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詰将棋や手筋に比べて、次の一手は(どちらかといえば)どの棋力の方でも親しみやすいとおもいます。また、羽生ブックや藤井矢倉の原理など、内容がわからなくても好きな棋士の写真を見てたのしめるのも付録の良さですね。観る将の人にもおすすめです。

 

個人的には阿久津主税八段の定跡次の一手はすべて表紙に本人が写っていてお気に入りです(「阿久津流後手矢倉△5五歩戦法」「対四間飛車△7二飛亜急戦」「対一手損角換わり先手早繰り銀」)。