みずたま将棋ブログ

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【棋譜並べ】大橋宗英1-1

今回は江戸時代の天才、大橋宗英(六代)の棋譜を見てみましょう。

宗英は近代将棋の祖とも呼ばれ、その後の近代将棋の父たる天野宗歩とともに近代将棋の双璧をなします。

 

 

 

本局は1790年に指された御城将棋。先手が宗英で、後手は九代大橋宗桂です。

なお、棋譜は上記津ツイートの『六代 大橋宗英』(筑摩書房)によります。

 

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当時は中央重視の傾向が見られ、まさに「5五の位は天王山」の時代真っ盛りといったところでしょうか。

ここから▲37桂△32金▲66歩△52飛▲67銀と進行します。

 

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先手は▲37桂がやや早い感じ。急戦を目指すのでなければ▲36歩すら不急の一手にの見えますが、これは△35歩の位取りを嫌ったものだとすれば仕方ないところでしょうか。

居飛車振り飛車か態度を保留していた後手もようやく中飛車の姿勢を明らかにします。

 

上図から、△55歩▲同歩△64銀

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後手が中央でリードを奪いますが、ここで▲54歩が序盤の勝負手。代えてすんなり▲57金△55銀▲56歩△64銀の展開は穏やかですが、後手の主張を一方的に通されてこれは嫌でしょう。歩を取らせる位置を変えることで後手の飛車を近づけつつ▲56歩を用意します。

 

少し進んで次図。

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後手の△55歩に、▲同歩では△同銀で中央を本格的に制圧されます。

ここでは▲57金△56歩▲同金△55銀▲同金△同飛▲56歩△52飛と穏やかに収めました。このあたりで後手がリードを奪ったように思います。とはいえ形勢差は小さく、その後の▲58金もバランスの取れた好手です。

 

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ここでの次の一手は宗桂の大局観の良さを示しました。

△84歩としました。中央では金銀交換の目的を果たしたので先手陣の手薄な8筋方面に転戦する狙い。後手は大きく手損しているので、それも踏まえて穏やかな流れに持ち込みたいところ。

 

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※手元のスマホで形勢は-10~+10程度でした。

少し進んで 次図。先手は1筋を詰めるくらいです。

 

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後手は手に困ってきました。手持ちの金はメリットなものの、先手からいつでも角の打ち込みがあるのが気になります。

 

続きはまた明日。図からの続きを考えてみてくださいね。