【棋譜並べ】大橋宗英1-2
さて昨日の続きを。先手が宗英で、後手が宗桂です。
角交換から後手が飛車を浮いて先手の角打ちを消したところ。少し前までは金銀交換で少し後手が指しやすそうでしたが、ここではヨリが戻っているようです。
上図から、▲35歩△73桂▲45歩△同歩
先手の35歩の仕掛けに後手も73桂と対抗しましたが、ここは35同歩と面倒を見る手もありました。以下45歩同歩24歩から横歩を取られていつでも44歩を見られては指し切れなかったでしょうか。戻って35同歩に単に72角もあり、後手としては嫌な変化だったようです。
本譜は次図のようになり、次の手の味が絶品チーズバーガーでした。
( 考えるための
おスペース)
図以下、▲55歩。この手が後手陣にプレッシャーをかけつつ先手の飛車の働きを楽にする好手でした。
以下後手の△53歩というつらい辛抱を見せました。次いで▲34歩に△86歩▲同銀はそつのない利かし。代えて86同歩には85歩の継ぎ歩がありました。
図からさらに△44角▲29飛△65歩▲同歩△36歩と後手も反撃を開始します。
局面の流れとして、まず、今日の指し始め図あたりからうまく仕掛けた先手がリードを取りました。そこで黙っているとジリ貧の後手が慌てて反撃に出てきた。ただし53歩のような不自然な形があり、ちょっと攻めさせられている感じ。
先手は37桂に活躍のめどが立っているのが大きく、宗英としては手に乗ってさばければ自然に良くなりそうです。いやあ組み立てがすばらしい…
上図から、▲66角△81飛▲45桂△46金
後手は重く46金としましたが、ここは先手も待ち受けるところ。本譜もここから▲33歩成△同桂▲同桂成△同角▲57銀△同金▲同金となりました。
先手は33歩成が権利でしたが、相手に催促してもらってから清算するのがいい感触(打たせて取る指し回し)。後手の37歩成が間に合う前に46金をうまく消し、先手優勢といったところでしょう。先手からは25桂と45桂が見合いで攻めが止まりません。
上図以下、遅ればせながら△75歩と攻め合ってきましたが▲45桂△24角▲33歩△22金と急所の歩が先手で入っては後手つらい限り。
ただし、先手もここで緩むと45桂を取られてしまいますのであるていど急いで攻める必要があります。ここからの宗英の攻めを考えてみてください。
(シンキングターイムスタート)
(*´∀`)
(シンキングタイム終わりー)
【再掲図】
ここから、▲54歩△同銀▲24飛△同歩▲32角△51玉▲54角成!と攻めます。仕方のない△54同歩に▲53歩とど急所の楔が入っては後手玉は寄りです。
以下、本譜も宗英が手堅くまとめました。一手差の投了図を作る余裕もありました。貼り付けがうまく行かないので棋譜は載せませんが、投了図を載せます。
この将棋は、序盤に後手が細かく動いてリードを奪ったかに見えましたが先手もよく辛抱し、互いに体勢を立て直した△84飛(今回の指し始め)の前後ではむしろ先手模様よしになっているという不思議な将棋でした。そのあたりの宗英の思考・大局観の良さは本当に勉強になります。
後手は8筋の歩を交換できなかったのが痛かったかもしれません。とはいえ77銀に95金と打つわけにもいかないしなあ…棋譜並べは楽しくて終わりどころがありませんね!