現代角換わりの勉強法
現代の角換わりの勉強法について、4つのレベルの教材を紹介します。
1.入門
NHK将棋講座「太地隊長の角換わりツアー」
2019年10月号から始まったこの講座は、昭和から令和にいたるまでの角換わりの歴史的変遷をおさらいする入門番組です。角換わりの基本を知るのにもってこいでしょう。
今月号では▲4八金・△6二金型の攻防が取り上げられていました。当然ながら、日曜朝10時の将棋フォーカスでは映像での解説が見られますのでこちらも要チェックです。
2.中級
佐藤天彦の将棋講座「美しき角換わり」(将棋プレミアム、囲碁将棋チャンネル)
今年公開されたこの講座は現代の角換わり(▲4八金・△6二金型)における先手と後手の主な狙いを概観する内容です。1本10分の動画なので、書籍と比べても勉強効率がいいでしょう。細かい変化を掘り下げるのでなく、大まかな狙いをプロの実戦例をベースにわかりやすく解説してくれます。
26本のシリーズなので意外と長いです。おすすめの勉強法は、大盤で解説された手順を、スマホなどを使って手元に棋譜データとして残すというもの。手順の分岐・コメント機能があればなお良しです(保存したデータは個人利用の範囲で)。
なお将棋プレミアムでの視聴の場合は有料会員登録が必要(月1000円前後)ですのでご注意ください。
3.上級
池永天志『現代角換わりのすべて』(マイナビ)
タイトルに偽りなし!400ページ余りのこの大著は、現代の角換わりを概観するのに必要かつ十分な一冊になっています。ともすれば陥りがちな重箱の隅をつついくような定跡研究に陥らず、適切な局面で「これにて一局の将棋」と検討を打ち切る勇気を持った編集が好印象です。章立てとしては、①▲48金△62金の対抗、②▲48金△52金の組み合わせ(先後)、③早繰り銀・棒銀について(先後)といったイメージです。
関連図書に長岡先生の『神速! 角換わり▲2五歩型 必勝ガイド』や小林裕先生の『角換わりの新常識 ▲4八金・2九飛型徹底ガイド』(いずれもマイナビ)がありますが、これらの本が扱っているのがそれぞれ池永本のどこを補強する資料になっているかわかれば、しっかりと現代角換わりの見取り図を描けているということになるでしょう。
4.総合
将棋連盟ライブ中継 https://www.shogi.or.jp/mobile/
いっときの流行こそ落ち着いたとはいえ、プロの将棋ではまだまだ数日に1局の割合で角換わり腰掛け銀は出現しています。角換わり腰掛け銀の対局画面からMenuを出し、「角換わり腰掛け銀」の戦型で検索をかけることで一気に対象となる棋譜を選び出すことができます。とても便利(棋譜検索窓からも行けます)。