みずたま将棋ブログ

みずたま(@go_tom_89)のブログです

備忘

順位戦のC級1組が終わり、杉本八段と近藤五段が昇級を決めました。

若者が上に行くのは世の常ですが、50歳台で並みいる強豪棋士を抑えて杉本師匠が昇級したには胸を打たれました。

 

降級にもめげず結果を残す人を見ると、故・米長永世棋聖の著作の一節を思い出します。

さて、順位戦に臨むB級2組の棋士とA級の棋士は、それぞれどういう思いでいるか。

A級の棋士は、「来年もB1に落ちないといいな、絶対、落ちないぞ」と思っている。一方、B級2組の棋士は、「どんなことがあってもB1に上がろう」と考えている。

二人とも同じような将棋を指しているのだが、片方は「B1に行くような不運に見舞われたら、かなわん」という気持ちで頑張っている。もう片方は、B1に上がれる幸運を求めて指しているのである。

こうしてB2からB1へ上がった棋士は、喜びはいっぱいである。将棋の神様はそれを見て、「そんなにここへ来たかったか。そうか、よく来たな」と歓迎してくれる。「居心地はどうだ?」と訊ねると、「最高です。精一杯勉強して、さらに上をめざします。」と答える。神様は、「そうか、頑張れよ」と応援してくれる。もちろん当人も頑張るから、一年後には昇級したり、それが無理でもいい成績を残すことができるのである。

(中略)

同じB級1組という場所に行きながら、「1年間、頑張るぞ」と思いながら将棋を指している者と、「1年間、不幸を背負ってしまった」と思いながら指していく者がいる。その思いの差によって、1年後に出てくる結果は大きく違ってくるのである。

米長邦雄『不運のすすめ』角川新書 p. 126-127)

 

将棋に限ったことではないですが、真摯に取り組むことが大切ですね。

当たり前だけれど難しいことです。

 

短いですが、忘れぬうちにこれを紹介したかったので。

 

 

【追記】そうそう、このかんじ。