あきこと学ぶオポジション
どうぶつしょうぎを教えていて気づいたこと。
将棋の導入のために開発されたどうぶつしょうぎですが、小さな子、未就学児にとってはまだ難しいゲームです。
いくら駒が少ないとはいえ、駒を進めるという基本的動作だけでなく、駒を取る、打つというイレギュラー的動作が必ず起きるのが大変なようです。
今こうしてさりげなく言った「駒」「打つ」のような一見簡単な言葉も、子どもにとっては「大人の専門用語」なわけです。
てなわけで、最初の最初は、「ライオンを取る」という最後の動作から教えます。
そのためにやるのが「ライオン一騎打ち」。
双方のきりん、ぞう、ひよこを取り除いてどちらかがライオンを取るまでやります。
もちろん大人の常識から見たら引き分けが結論なのですが、やってみると結構楽しそうにきゃっきゃと盛り上がってくれます。(もちろんオトナはわざとライオンを差し出すことも必要)
最初はトライルールはなしでやりますが、慣れてきたらトライルールを導入。トライとは、ライオンが相手陣4段目に安全に侵入できたら勝ちというもの。(安全にというのは、侵入した直後の手で取られたら負けということ)
どうぶつしょうぎは手頃な盤面編集アプリがないので、今回は偉大なるローソン様のからあげクンしょうぎに協力を仰ぎます。みんなやってね!
さて、このライオン一騎打ち(相手のライオンをとったら勝ち。トライルールあり。)は、先手が必勝になります。
初手は前か横か斜めの3通り。
①斜め
斜めに出ると、相手は横に出てきます(図)。
そこから横に移動すると、相手も一歩横へ追随してきます(図)。
ここからいろいろな手がありますが、これは引き分けになりそうです。この局面、手番が相手ならこちらの勝ちというのがヒント。
②横
初手に横に移動すると、相手は斜めに向かって動いてきます(図)。
この一間(いっけん)を開けて向かい合う形がこのゲームの急所で、この後は互いにミスが出ない限りはこれで先手負け。引き分けと負けの判断は難しいですが、先手で勝てないのは等しく失敗と見てもらってかまいません。
③前
初手前進は、好手で、これで先手勝ち。
言われてみれば簡単ですが、この局面、相手はどちらかの横に動いて先手に道を譲るしかありません。
あとは譲られた道を進めばトライorキャッチ確定。
よく見ればさきほどのこの形、
先程出てきた急所の一間トビの形ですね。
「一間トビで相手が手番ならば自分は道を譲ってもらえる(イコール勝ち)」がこのゲームの基本図式です。
楽しいのでみなさんもぜひやってみてください(Lineでローソンと友達になるだけ!駒の使用制限は設定画面から。)
なお、この一間トビで手番を渡すのはチェスのオポジションという概念と何ら変わりません。興味がある方は調べてみてくださいね
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