将棋世界付録の楽しみ1【手筋・詰将棋編】
将棋世界の電子版が発行されるようになって久しいです。
以前は電子版だと図面の駒が動く仕様だったのですが、いつのまにか普通の画像に戻っていました。いつか復活してほしいものです。
ちなみに私は電子版を買ったことはないです。これは完全に惰性のためでしょうね。
ただ、将棋世界は毎月3日発売というイメージがあるので、その時点で手に入らない電子版は無意識に購入対象から外れるというか...。
さてさて、今回はそんな将棋世界の付録をすこしご紹介。
文庫サイズ80ページ程度(問題40問、解答40ページ)の構成で、読みやすさが売りですね。
私の持っている100冊程度をざっと見た感じの分類は以下の通りになります。
(1)詰将棋、(2)基礎手筋、(3)実戦手筋、
(6)棋士特集、(7)将棋豆知識、(8)読み物、
(9)データブック、(10)その他
このエントリーでは最初の3項目から、個人的なおすすめをそれぞれいくつか抜き出してみます。
【1】詰将棋
詰将棋は基礎的な手筋紹介もの(1手~3手詰)から詰将棋作家の作品集まで様々あります。私が将棋に関して多感な時期だった中学生くらいのころにはちょうど伊藤果先生の作品集が何冊か出ていて、大きな影響を受けました。
伊藤果詰将棋作品集「独リヲ楽シム」(2006年11月号)
盤上の攻め駒が1枚だけという趣向作を集めた作品集。シンプルな形で覚えやすく、頭の中で解く訓練になりました。たとえば第37問はこんな感じ。
〈攻方〉3四竜 〈玉方〉1三歩、2一玉、3二金 〈持駒〉金銀桂桂桂桂
中田章道実戦型詰将棋作品集(2018年5月号)
1一香、2一桂の形を条件とした作品集。さわやかな好形が多く、こちらも頭の中電考えるのに最適。表紙作はこんな感じ。
〈攻方〉2四馬、2五竜 〈玉方〉1一香、1二玉、2一桂、2二歩、3一角 〈持駒〉桂
最近の付録は電子書籍で買うのが吉です。私もこれはKindleでも買いました。
勝浦修詰将棋傑作集(2011年12月号)
勝浦先生も先述の2作家と同様に付録登場の多い先生ですね。本書には7手~13手詰が収録されており、解後感もすっきりです。
これくらいの手数の詰将棋が長いようなら、本間博先生の付録なんかがいいかと思います(ホンマにやさしい詰将棋)。
【2】基礎手筋
手筋はいつの時代も将棋の基礎です。こうしたポケットサイズの本でさくさく復習するのはけっこうすばらしい勉強法ですね。絶版でよければ、昭文社の米長シリーズもありますが笑
及川拓馬「囲いはこう破れ【穴熊編】」(2014年5月号)
穴熊囲いを破る手筋を紹介。美濃囲い編などもあります。及川先生はこうした単発の出版をまとめて、のちに『全戦型対応!囲いの破り方』(マイナビ、2014年)を出されています。電子版は108円なので、気軽に買えますね。
及川拓馬「初段常識の手筋」(2015年4月号)
再び及川先生です。部分図と全体図を駆使して強い初段ならみんな知ってる常識をおさらい。
第45問。△8八飛が正着でした。
上野裕和「歩の手筋50」(2016年9月号)
強い人は歩の使い方がうまいです。歩は、垂れ歩を除き、単体で生かすことは難しいのです。つまり歩の手筋を理解している人は他の駒の特性と生かし方も理解していることになるのです。けっこう基本的なところを解説してくれているので、初級者にお勧めです。
こちらは第43問。
【3】実戦手筋
基礎を踏まえて応用的な実戦手筋を集めた付録もあります。こちらは「プロの〇〇」としてシリーズ化されていると言ってもいいでしょう。終盤が題材になることが多いですね。中でも...
プロの端攻めテクニック
プロの実戦に学ぶ終盤の手筋
(電子版なし)
プロの必至・しばり
の3冊を挙げておきます(だいたい電子版もある)。やはり終盤は大事ですね。この実戦手筋シリーズは有段者向けだと思います。
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次回は残りの分を扱います。
電子版のない昔の付録に関しては入手が難しいものもあります。
社団戦のアカシヤ書店ブースを覗くか、各地の道場においてあるのを見てみましょう。
最近はメルカリやヤフオクもありますね。