思い出の本
初心って大事ですよね。いつも新鮮な気持ちで将棋を見れるようにありたいものです。
私自身、将棋を覚えてから20年弱は経つこともありいろいろな将棋や棋書を見てきましたが、やはり子供の頃に読んでいた本は思い入れが深く、いま読み返してみても結構内容を覚えているものです。
1.前田祐司『将棋(わくわくチャレンジ・ブックス)』フレーベル館、1998年
私は小学校低学年で将棋を始めたのですが、なぜか入門書は大量に読んだ記憶があります。対局相手がいなかったからかもしれません。
中原先生のものや伊藤果先生の入門書などは学校からの行き帰りや寝る前の寝床で読み返しました。『どんどん力がつく こども将棋 強くなる指し方入門』(中原)はいまでも書店で見かけることがありますね。
前田先生の本書も子どもに読みやすい好著でした。絶版なのですがもし見つけたら読んでみてください。当時の藤田綾女流二段や藤森哲也五段の姿もあります。
前田先生といえば山海堂から出ていた『将棋必死集』も印象的。
小学生って暇ですし、無意識のうちに何周も読んでいたのですね。ちなみに山海堂は数年前に倒産してしまいました。次の一手本など名著が多かっただけに残念。
2.原田泰夫『強くなる将棋・次の一手(将棋シリーズ)』梧桐書院、1999年
こちらは次の一手本。奇をてらわぬ内容で、級位者に読みやすかったです。構成は指導棋士の小田切秀人先生(棋友館などで指導)で、ご縁を感じます。
今にして思えばよくこのレベルを(5級以下?で)読んでいたなと思いますが、内容がわからなくても漢字が読めなくてもひたすら図面を追って、解答も暗記していました。この時期の反復練習がいまの直感の基礎感覚になっているのかもしれません。
他には学校の水泳大会が始まる前にストレッチもせず『四間飛車を指しこなす本(3)』を読んでいた記憶がなぜか残っています。そのときに先生か誰かから「読書をしてえらい」と褒められたのですが、棋書は読書じゃないよねと思っていた天の邪鬼でした。
級位者時代は詰将棋が好きでよくやっていました。ハンドブックシリーズなんていうおしゃれなものはなかったですが、目についた作品集を手当たり次第に解いていました。
お気に入りはこの選集シリーズ。ほかに内藤先生や高柳先生、後年になって勝浦先生の作品集も出版されました。もちろん、解けない問題がほとんどだったので答えもバンバン見ていました。この頃は棋書とたわむれるのが好きだったのかもしれません。
中学校に入った頃、浅川書房の刊行が活発化し、私も棋理というものに目覚めます。
時代としては四間飛車対急戦がまだ主流で、羽生森内の竜王戦なんかはいまでも有名でしょう。
浅川書房の本は中学生ながら全部買い求めました笑。とくに『四間飛車の急所』(藤井)、『最新戦法の話』(勝又清和)、『上達するヒント』(羽生)などが今の私の将棋観を作っている気がします。序盤というものが必然手の組み合わせによる理路整然とした体系という見方を手に入れました。
他に定跡書では...
これですね。四間飛車対急戦の最後のピークという時代でした。
電車の中でよく読んでいました。▲39飛に感動。
青野先生の著作は読み物でも手筋物でも非常に啓蒙的で、勉強になりました。
最近だと創元社から出た『棋力判定テスト』ですか。あれをちゃんとやればすぐ強くなると思います。
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久々の自分語りになりました。
また別の切り口があればもう一回くらい書いてもいいかな。