みずたま将棋ブログ

みずたま(@go_tom_89)のブログです

6月の新刊紹介

梅雨ですけど、はりきっていきまっしょい。

6月上旬の棋書紹介。主要4冊をチェックしました。

 

1. 『羽生善治永世七冠 必勝の一手』森けい二(日本文芸社

 
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羽生二冠が永世竜王を獲得したあとに森先生みずから羽生先生に諒解を得て編集された、実戦次の一手集。森先生による羽生本はもはやおなじみですね。

 

羽生先生の最近の実戦を以下の10章に分類。「横歩取り(先手・後手)」、「角換わり腰掛銀(先手・後手)」、「矢倉(先手・後手)」「対振り飛車」、「振飛車」、「角換わり棒銀」、「雁木その他」。各章およそ10問で、合計100問。

 

中盤から終盤の入り口の問題がメイン。素直な手が正解な場合が多く、級位者にもおすすめできます。

 

これを繰り返せば実力の向上はもちろんのこと、羽生マニアへの道も歩むことができるでしょう。

 

2. 『【増補改訂版】将棋・序盤完全ガイド 相居飛車編』上野裕和マイナビ


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5年前に出版された同タイトルの書籍を大幅に加筆した、序盤理解のためのガイドブック。

 

将棋の序盤をひとつのストーリーとして捉え、ほんのわずかな優位を掴むために繰り広げられる先手と後手のしのぎの削り合いを描きます。

具体的な手順は極力ひかえられ、また図面には矢印などが多用されているのが好印象です。

 

矢倉が(一時的に)衰退し、その代わりに雁木が台頭してきた現代将棋の模様を新章によって反映しています。

 

指す将必読、観る将must読の一冊。

 

3. 『コンピューター発!現代将棋新定跡』suimon(マイナビ


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コンピューター将棋、あるいは将棋ブログ界で多大な貢献をされているsuimonさんによる相居飛車の最新研究書。250ページちかい大著ながらお値段据え置きの新設設計。

 

 「角換わり▲4五桂」、「角換わり▲4八金」、「雁木」、「相掛かり△7四歩取らせ」という4章構成です。 それぞれの節の結果図に、コンピューターソフトによる評価値を載せているのも画期的でしょう。

 

ソフトの評価値は、その後も正確に指し継げてはじめて使いこなせるという難物ながら、本書でそれぞれの手順の意味を知ることで、指し方に幅をもたせることが可能でしょう。

 

高段者向け。

 

4. 『心震わす将棋の名対局』後藤元気(大和書房)


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観戦記者の後藤氏の作品を集めた選集。様々なエピソードとともに棋譜を鑑賞することにより、単なる符号の羅列としての棋譜とは異なり、より深い次元で対局を味わうことができます。

 

羽生二冠や佐藤康九段らトップ棋士はもちろんのこと、神谷八段や畠山成八段など、普段あまり棋譜が出てこないベテラン棋士の闘いと人間味あふれるエピソードも面白いです。

 

中盤の大事な局面で手の解説がなかったりするのは良し悪しですが、総じてお買い得な一冊と思います。

 

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6月後半は藤井聡太全局集や各種読み物が出る予定ですので、スムースに読みたい棋書を読み進めていきましょう〜