【四間飛車基礎】将棋ルームより
今日の将棋ルームの参加者の方と指した将棋から。
参加された皆さまお疲れ様でした。
参加者の方が先手で、四間飛車を得意戦法にしたいというケースです。
今回は右銀急戦を採用してみました。
限られた対局時間の中で再現率の高い局面をお伝えできればと考えながらいくつか指導プランを用意しています。
ここから▲56銀とすると、以下△75歩▲65歩のときに、△77角成▲同桂△53銀が好手。
この瞬間、次の△76歩の取り込みと△86歩の飛車先突破が同時には受けづらいです。
最初の△64銀には「戦いの起こる筋に飛車を振れ」の格言通り▲78飛が常套手段です。また、この手では▲56歩として、△75歩の瞬間に▲78飛でも良いでしょう。
四間飛車においては、居飛車からの仕掛け△75歩を▲同歩と取るのは非常に限られた場合しか成立しません。つまり、△75同銀として居飛車の銀が5段目に来るのが非常に好形なのです。
さて、本手順に戻って次の難関は△76歩▲同銀△72飛の局面。
ここでは銀取りを受ける必要がありますね。
今回の場合は▲88角という手をご存知だったのでこの手順を進めていきます。
なお、代えて▲65歩や▲67金も有力です。前者は『四間飛車を指しこなす本1』(藤井)、後者は『四間飛車破り』(渡辺、なお左銀急戦だが)に詳しいです。
▲88角には△65銀という派手な手もありますが、今回は△77歩という軽妙手を放って応手を問いました。
初見だと少し焦りますが冷静に見ればここは▲77同飛の一手ですね。
以下△66角のときに...
▲67銀が定跡の教える好手。この手を知れば△66角は怖くありません。
ここから△77角成▲同角△22銀となった局面は...
1.手番 振り飛車
2.玉の堅さ 振り飛車
3.駒の効率 互角(盤面左にあるお互いの銀・桂を見比べる)
4.駒の損得 飛車 vs 角(互角 or やや飛車が得)
ただし、この局面では斜めのラインのスキが居飛車陣に多いので個人的には振り飛車を持ちたいです(具体的には▲83角)。対して美濃囲いのほうに意外と飛車打ちのスキがないのです。
以上の変化は数多くの定跡本で紹介されている、ある種の常識とも言えるので、四間飛車党の方は記憶しておくと良いでしょう。
最近の本だと藤井九段の『四間飛車上達法』に載っているという情報がありました。難しい本ですがこちらもぜひ。
最後に、四間飛車とは関係ないのですが、上達の壁にぶち当たっている方とお話をする中で思い出した私の好きなブログ記事を紹介しておきます。以前にツイートでもご紹介しましたが。
読みの技法 番外編 県代表クラスになる為のある一線 | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~