みずたま将棋ブログ

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まえがきから見えてくるもの【河出書房新社編】

前回の続き、今回は河出書房新社のタイトルを紹介します。

 

この出版社は最近も羽生先生のシリーズでいろいろと名作を出しているのですが、今回は以下の書籍をピックアップしてみました。早速ご覧ください。

 

1.佐藤康光佐藤康光の戦いの絶対感覚』

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本書『-戦いの絶対感覚』では、私の実戦から、私らしい戦い方のポイントを選び出し、それぞれじっくり解説してみました。読みと同時に、私の考え方についてよりスペースを割きました。将棋の神様が見ても最善なはず、と信じていますが、皆さんの中には疑問を持たれることもあるでしょう。しかしそれはそれでいいのです。それが皆さんの個性となっていくはずです。

 

将棋の神様に見てもらっても差し支えない内容とのこと。どうですかこの謙虚と矜持。

私自身この本は何度も読んで勉強してきましたが、未だ本書の内容に疑問を持つ境地には至れていません。

 

2.羽生善治羽生善治の戦いの絶対感覚』 

初心者の時にはどう指してよいか解らないので自由に手が選べたわけだが、この手を指すと悪くなるということが解ってくると、どう指すべきか解らなくなる、迷ってしまうという現象が起こる。そんな場合の指針になれば著者として嬉しい。

 

上達の上で「悪くなることがわかる」→「対策を講じる」は2つの異なる段階ですからね。初心者の気持ちを組んでくれているわけですね。読者として嬉しい。

 

3.谷川浩司谷川浩司の戦いの絶対感覚』

 (前略)そうした戦法の流行が続くことによって、現代将棋の感覚は以前とは大きく変わってきた。序盤のスピード感覚。序盤の一手の重要性。序盤から終盤へと進む流れの速さ。中終盤をより直線的に考える感覚。それらは昔の将棋観とは全く違ってきた。私の将棋観も同じように 変わってきた。

ただ、そうは言っても、将棋の中には絶対的に変わらない基本的な感覚もある。

 

変わるものと変わらないもの。将棋の常識を変え続けてきた先生だからこそ重みを持って言える言葉だと思います。

 

4.先崎学『ホントに勝てる四間飛車

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「今の将棋の本って、難しすぎますね」

このなにげない一言を私が聞いたのは、五年ちかくも前だっただろうか。それもでもふと、そう感じることもあったのだが、身近なアマチュアの方にストレートにこういわれて、私はドキっとしたのだった。

以来、定跡本が出るたびに、私はこの言葉を念頭に置いて目を通すようになった。そして出た結論は、「やっぱりこりゃ難しいぜ」だった。

(中略)そこで私が立ち上った。「初段向けの易しい本にする」「職人感覚を言葉にする」。この本は、このふたつのコンセプトで始まった。

 

すべての棋書のまえがきを考慮してもトップテンに入る名文です。アマチュア目線に立ってくれる本がいかにありがたいか。

 

5.先崎学『ホントに勝てる振り飛車

あの飛車をサバく快感。あの左の桂馬をピョンと跳ねるなんともいえない気持ち良さ。あれこそ、将棋の醍醐味といってもいいだろう。

実際、私はゲームマニア(将棋指しなんてだいたいそうです)なので将棋の他にも色々なゲームをするが、あの三間飛車の捌けた時の感じは、ちょっと他のゲームでは味わえない。 

 

ほらほら、いますぐ三間飛車が指したくなってきたでしょう?

 

6.『ホントに勝てる穴熊先崎学

プロなら「こんなもの終っとる」と言って目もくれないであろう局面から分り易く解説するのは、思ったよりも簡単なことではなかった。我々プロは、豊富な経験にもとづく大局観をホントに頼りにしているんだなあ、と何度も感じさせられた。

 

プロにしてみれば常識でも、アマにしてみればそこは高い山のかずかず。麓まで降りてきてくれるプロの存在がありがたいですね。この「ホントに勝てる」シリーズ三部作は本当に不朽の名作です。

 

7.藤井猛四間飛車を指しこなす本1』

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四間飛車の極意を一言で言うと何でしょうか?」

ファンの質問に私はいつもこう答えています。

「相手の力を利用して、投げる、でしょうか」

 

四間飛車の答え、ここに書いてありましたね!

ちなみにこれの3巻のまえがきには、「第1巻、第2巻、第3巻とすべてを完璧にマスターしたあなたは、確実にアマチュア四段の実力はついているはずです。」とのお墨付きが出ています。未読の方はぜひ。

 

 

他にも紹介したい名著がたくさんあるのですが、今回はこの辺にしておきます。

次回はマイナビを扱う予定ですが、なにぶん冊数が多いので、どれを紹介したものかいまから思案中...