【補足】書体について
以前の記事で、菱湖(りょうこ)という書体をプッシュしました。
菱湖(巻菱湖とも)は最近とみにその人気を増している観があります。
マイナビ出版の棋書の表紙の駒は、この書体以外使われていないのではないでしょうか。
こんな感じで。
綺麗で見やすいのが良いのでしょうね。
【菱湖】
ほかには錦旗(きんき)が有名でしょう。参考文献によれば「大橋本家に伝わる後水尾天皇の書を豊島龍山が筆写した」のがはじまりだそうです。
ちなみに菱湖のほうは、「新潟の巻(現・新潟市)で生まれ、書道の手本を残し「幕末の三筆」と謳われた江戸後期の書家である」とのこと。
【錦旗】
他には、能筆家で知られた公家の水無瀬家が16世紀末に残した書体をもとに後世の駒師がアレンジしたとされる(参考文献)水無瀬書も有名で、現在ひろく流通するプラ駒にもそのデザインが採用されています。
【水無瀬】
また、これらの3書体に源兵衛清安(げんべえきよやす)をあわせた4つがいわゆる四大書体です。
【源兵衛清安】
源兵衛清安は江戸時代から伝わる古い書体であるものの、その詳しい出自はわかっていないそうです。面白いですね。
ところで、以前の記事で紹介したデラックス将棋盤が発売になりました。
将棋会館に実物がサンプルとして置いてあったのを見たのですが、サンプル写真とそう変わらぬ見た目で(指し心地はわかりませんが)まだ盤駒をいない方には強くおすすめできるいい商品と思いました。
そして、この商品は盤と駒のセット販売なのですが、amazonを調べたところ、駒の単品販売があるようです。amazonを見たところ発売は今月末らしいです。ツゲではないとはいえ四大書体の木製の駒が3千円台半ばで買えるのはいい機会ですね。
是非チェックしてみてください。
【参考文献】『将棋駒の世界』増山雅人