みずたま将棋ブログ

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まえがきからわかること【浅川書房編】

棋書のまえがきを読むのが好きです。

 

あとがきはない本が多いですし、コラムはあったとしても編集に書かされている感がするものが多い気がします。「上達法」「将棋めし」「携帯中継」…こんなタイトルのコラムは内容がありきたりすぎてちょっと読む気が起きません...

(最近だと神崎先生の『居飛車の基本手筋』は、著者独自の経験談が書かれていて好きでした。)

 

その点まえがきは、ほとんどの本にありますし、この本は同じテーマの別のとはこう違うんだ!という主張が出ていて読み応えがあります。著者の苦労やその本の利用法・読者対象などが書かれていることもありますね。

 

個人的に一番好きなまえがきは中原誠『中原自然流実戦集』ですね。

いま手元にないのですが、何度も棋譜並べをすることを丁寧に勧める名文でした。

前書きを読んでいると将棋上達の普遍の真理が見えてくるのです。

 

今回は浅川書房「最強将棋レクチャーシリーズ」の各書からまえがきの名フレーズをご紹介。

 

1.森けい二『寄せが見える本【基礎編】』

定跡を勉強し、正しい将棋の指し方を覚えれば、棋力は上達しますが、結局、勝負は勝たなければなりません。将棋の勝敗は、ほぼ九十パーセント以上、終盤で決まります。よほどの大差でもない限り「一手違い」の終盤を迎えますから、将棋というゲームでは、終盤が強いほうが勝つようにできているのです。

将棋は終盤。耳が痛いです...。でも解決策が!

 

2.森けい二『寄せが見える本【応用編】』

コンピュータと違って、人間は、見えた手しか読めません。よく「手を読む」といいますが、実際には見えた手を確認しているにすぎず、基本的に、見えていない手を読むことはできないのです。局後に「あそこでこう指せば···」と指摘されて、アッと思ったことがあるでしょう。そんなとき、なるほどと思いつつ、でもどこか釈然としない気持ちが残りませんでしたか。

(中略)将棋が強くなるということは、実は、手が見えるようになることなのです。

出ました名言。これは私からの蛇足は一切不要でしょう。

 

3.羽生善治『上達するヒント』

これまでたくさんの数の将棋の本が出版されてきましたが、それが実際の実戦でどれくらい役に立っているのかと思ってきました。

ゴルフにたとえるなら、ドライバーショットについては書かれているが、バンカーショットは無視されている感じです。将棋は、ゴルフ以上にバンカーの多いゲームです。そこからどのように抜け出すかがとても重要で、棋力の多くの部分をこれが占めている気がしています。

 

いつもながら羽生先生は喩えがうまいですね。

そんなバンカーショットをうまくなるためにはどの本を読めばいいのだろうか?

 

4.高野秀行四間飛車がわかる本』

「将棋の通訳になりたい」

いつからか、こう思うようになりました。

 これも記憶に残る名フレーズですね。プロの将棋を級位者にわかりやすく説明する。不肖私も目指している境地です。

 

5.金子タカシ『寄せの手筋200』

実戦の終盤では、超手数の詰みを狙うのではなく、玉の包囲網をせばめて最後は簡単な詰みがどうやっても受からない形にもっていくのが効果的である。

 

すべての伸び悩む級位者に金言。この一文だけは強制的にでもいいから読んでもらいたいのである。

 

6.金子タカシ『美濃崩し200』 

現在ではゴキゲン中飛車、石田流、角交換振り飛車などの力戦系が中心に様変わりしているが、振り飛車の囲いの基本が美濃囲いであることに変わりはない。

 

今すぐ自分の胸に手を当て、「基礎をおろそかにしてるかもな」とおもったらすみやかに書店に足を運ぶこと。

 

7.金子タカシ『凌ぎの手筋200』

本書は、受けの力、寄せの力、読みの力、簡単にはあきらめない不屈の精神力を磨くことで、終盤の総合力のアップを目的としている。

 

将棋は終盤力ということは森先生もおっしゃっていました。

そしていま、終盤力には不屈の精神力がともなうべしという教訓が得られました。

 

8.藤井猛四間飛車上達法』

本書を手にしてくれた方は、もちろん電車の移動中や、喫茶店でコーヒー片手にでもいいのですが、ぜひ将棋盤に駒を並べながら、生の講義の雰囲気を感じて欲しいと思います。

 

定跡書をものにするには実際に盤に並べるのが大事ということを再確認します。

また、大学での講義中に読んでいいとは決して書いてありません。

それにしても藤井先生の自由文はおしゃれですね。コーヒーがよく出てくる印象。

 

 

以上、名著8冊のまえがきに出てくる名文を紹介しました。

まえがきを読むだけで、将棋とはどんなゲームか、どうしたら勝てるのかがわかってきたような気がしませんか。

個人的には、自分の将棋に関する思考がいかにこれまで読んできた本に影響されているかが自覚できました(結構ふだん自分で言っていることと重なることが多い)。