最近気になる局面 & 将棋ルーム告知
最近見た将棋の中から、気になった局面をいくつか拾ってみました。
個人的な関心から仕掛け周辺が多いです。終盤にはあまり興味がなくすいません...orz
考えてみれば最近は盤駒を使って棋譜を並べる機会も少なくなってしまったので、モバイル中継や書籍に頼りっぱなしです。感謝感謝です。
(1)西尾ー塚田(竜王戦)
雁木対矢倉の新旧対抗型になりました。
ゆっくりした展開になれば▲68金右と締まる手が大きく先手ペースですが...
ここで塚田先生の△45歩!が攻め120%の仕掛け。
以下▲45同歩に△55歩▲47銀として力づくで中央の制空権を取り戻します。
後手番なのにすごいですね。
上図から▲45同歩△55歩▲47銀△75歩
▲46銀△54銀▲24歩△同歩▲75歩(次図)と進んだとき...
△65歩(次図)▲76銀△56歩と仕掛けられては、形勢はともかく後手の言い分が通った形。
実戦もこれ以降、攻め倒した後手が勝ちました。
(2)日浦ー伊藤沙(棋聖戦)
後手得意の矢倉から、先手の飛車先交換に△23銀と上がった形。僅かな形の違いで、ここから思わぬ強襲が成立しました。
▲23同飛成△同金▲83銀!
この銀は取るしかなく...
△83同飛▲61角△82飛▲43角成まで一本道です。
実戦はここで△51銀から粘りに出たものの、以下短手数で先手勝ちになりました。
まさに、「一段金に飛捨てあり」の格言通りでしたね。
上図でひと目は△22飛で受けきりなのですが、▲24歩があったのが後手の誤算。
以下(1)△33金には▲33同馬△同桂▲23金△52飛▲33金(下図)で一手一手です。後手は金駒がなく、ゆっくりした展開になっても受けが利きません。
▲24歩に(2)△24同金も▲21馬△同飛▲33桂△32玉▲21桂成△同玉▲52飛で寄り形です。ここで△31銀の受けには▲14歩が入るのが先手の主張で、貴重な一歩が先手で手に入ってはもう攻めが切れません。
将棋は少しの違いが大違いですね。違いがわかる将棋指しになりたかったらこれを読みましょう笑(好きあらば棋書紹介) 級位者~初段程度向けの次の一手本です。
(3)高橋ー野月(棋王戦)
ひじょうに懐かしい矢倉・二枚銀対抗型。80年代によく指されました。
いま先手が▲35歩と仕掛けたところで、実戦は△35同銀▲同銀△同歩▲55歩△36銀▲46銀(下図)と進んで、以降も粘り気のある戦いが続きました。
実戦の進行以外には▲35歩に△同歩が自然な対応。以下▲45銀と銀をぶつけてきたときに...
△33角が知らないとちょっと指せない受け。
▲34銀には△24角と柳に風。以下▲25歩△13角▲15歩でまずそうですが、△36歩の切り返しが用意されています。
これを▲同飛と取れば、△35銀、▲14歩なら△35角▲36飛△18歩▲同香△17歩という手段があり、読み始めたらきりがありません。この変化だと先手の58金が68金に変わっているとさらに後手に有利な形ですね。
参考として、次の将棋を挙げておきます。
(4)加藤(一)ー田丸(名将戦、1984年)
上図以下、△75歩▲同歩△31角▲74歩△86歩▲同歩
△同飛▲87歩△84飛▲35歩△75銀▲同銀△同角(下図)
後手番で飛車先を交換していないにもかかわらずここから仕掛けます。
現代的なスピード感です(ただし結果は先手勝ち)。
矢倉二枚銀にはロマンがありますね。
図から▲35歩△同歩▲55歩は仕掛けの手順として覚えておきましょう。
ということで、結構ながいこと書いてしまいました。
棋譜を紹介する際には、なるべく図と図のあいだの手順を短くするのが理想と思ってやっています。というのも、個人的には囲碁のテレビ棋戦やYoutubeでの棋譜解説を見ているときが一番効率よく棋譜を覚えられると感じているのです。
1手ごとに局面を目の前にして考えられるのがいいのでしょう。
棋譜並べの際にはやはり、一手一手丁寧に並べることをおすすめします。そして、将棋チャンネルを始めとする動画教材、そして将棋教室の講座も活用していきましょう。
最後に宣伝。6月4日と11日(月)のよる6時からに東京・四ツ谷のねこまどにてまた将棋ルームを主催することになりました。最初に席料を払ったあとは、対戦をしてもよし、棋譜並べをしてもよし、Abema将棋チャンネルをみててもよしのまったりルームになります。
皆さまお誘い合わせの上お気軽にお越しください。
6/4(月)に将棋ルームやるから来てね☆
— みずたま (@go_tom_89) May 29, 2018
いちど席料さえ払ってしまえばずっとぼーっとしてても棋譜並べしてても指導受けてもチェスや囲碁やっててもいいよ https://t.co/GnIspysCKN