みずたま将棋ブログ

みずたま(@go_tom_89)のブログです

手筋で楽しく上達

最近、手筋の勉強にハマっています。

といっても囲碁の手筋です。もちろん将棋の上達に通じるところはとても大きいです。

 

まずは、勉強といってもそんな大それたものではなく、電車に乗ったときなど、スマホの代わりに文庫サイズの手筋本をとりだすだけなんですけどね。

 

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最近の好みはこれ

 

手筋って、前後の手順的な文脈なくサクサク解けて、それでいて詰将棋(詰碁)ほどたくさん手を読まなくていいので軽快で楽しいです。

 

そういえば、手筋とは、一手の働きを最大化するような駒運び(石運び)のことを指します。囲碁も将棋も互いに交互に手を指しあい、いかに見合い(両狙い)を作って相手を上回るかというゲームなので、1手の効率が非常に大切なわけです(その点、ハンデ戦としての2手指しは有効と思います)。

 

ちなみに手元の事典では、手筋とは「その形における部分的なセオリー(後略)」とあります(『日本将棋用語事典』東京堂書店)。

 

例えば下図の局面で、後手の棒銀が協力で8筋が受からないように見えます。

 

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8筋が受かると知らなければ受けようとも思わない


ここで▲88歩△87歩▲79銀という一連の手筋を知っていることが重要。

知った上で更にレベルが上がると、(対局で実際に目にする前に)読みの中でこの変化は大丈夫と見切ることができます。

 

 そして、知っていると知らないとでは大違い(自分で考えて生み出すのは不可能あるいはそうとう非生産的)という意味で、手筋は語学学習で言う単語暗記のようなものといえそうです。知識をジャブジャブ注入して、たくさん引き出しを作っておきましょう。

 

英単語で言うと、語源で学ぶ学習法が一時期はやりました(いまも主流の一つでしょう)。contemporary=con(一緒)+tempo(時間)+rary(語尾)みたいなやつです。

 

手筋にもそれが言えて、それはとくに囲碁の定石に当てはまる感覚があります。

つまり単語(定石)の成り立ちを理解すると知識が保持されやすく成るあの感じです。もちろん将棋の定跡も同じですよ。すべての理論の根幹はsubordinateの具体手順でしかありえません。

 

例えば上記の本に出ている例から。

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白△は定石ハズレで、左右の黒石が連絡(つながる)できます。

全然関係ないですが、私は囲碁の手筋の中でワタリ(連絡)が一番好きです。

 

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図のようになったときに、最初にトンだ白石が働いていません(つまり黒に切られる)。

 

将棋で言えば、「部分的な定跡」と呼ばれる手順がこれに当たるでしょう。

次図は一手損角換わりで発見された新手筋。

 

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ここで▲36歩と控えて打つのがいまとなっては常識の一手。次に▲35銀からの銀交換を狙います。

代えて▲35歩では△43銀としなやかに引かれてのれんに腕押しというところでした。定跡には常に具体手順による裏付けがあるのです。定跡の成り立ちを知りましょう。

 

 

手筋を覚える本をいくつか紹介します。

杉本昌隆『振り飛車の絶対手筋105』

éå¹ï¼æ¯ãé£è»ã®çµ¶å¯¾æç­105 (ãã¤ããå°æ£BOOKS)

同『相振り戦の絶対手筋105』

神崎健二『格言・用語で覚える居飛車の基本手筋』

武者野勝巳『手筋の達人1・2』

また、囲いに関する手筋本や、藤倉勇樹先生の本もおすすめです(以上マイナビ)。

みずたま on Twitter: "『格言・用語で覚える居飛車の基本手筋』神崎健二
『振り飛車の絶対手筋105』(杉本)の姉妹本。相居飛車に頻出する手筋を戦型ごとに紹介。部分図が多く読みやすい。次の一手やコラムも読み応えがある。手筋は駒の基本動作であり、これを瞬時に運用できることなしに上達は考えられない。

 

みずたま on Twitter: "『手筋の達人2』武者野勝己
対抗型(居飛車vs振り飛車)の序盤から中盤における手筋を集約した次の一手本。筆者が子供時代に手筋を覚えることでメキメキ上達した経験が執筆の原点らしい。
Kindle版があるので、寝る前などにサクサク解くのが吉。難易度は初段クラスです。
#今日の棋書… https://t.co/ThZz9lWpfc"

 

強い人は『将棋は歩から』を読み直しましょう。新発見があることを約束します。

 

 最後に、手筋は最終的には「考えればわかる」ではなく「見た瞬間にわかる」になるのが理想です。初段レベルの棋書や問題でも侮らず、繰り返し取り組みましょう。