駒落ち上達法
今日は駒落ちはためになるよっていうお話を。
時代的にはプロを始めとして平手将棋全盛です。そもそもプロの駒落ちなんてそれこそ木村〜大山時代にまで遡るので最近の話ではないですね。ただし現在でも奨励会の香落ちや研修会でのプロ指導での駒落ちは知られています。
ともあれ、平手中心の風潮はアマチュアの入門者にまで波及しているように感じます。
とくにコンピューターソフトが普及して事前研究が容易になっており、特定の戦型では後段者よりも詳しい級位者がいて…という事態も見受けます。今後増えてくるのかもしれません。
さりとて駒落ちも学ぶことは多くあります。指導対局のために駒落ちを勉強してるよという方もいるでしょう。具体的に見ていきます。
【10枚落ち】
上手には玉と歩しかありません。これは勝負ではなく完全に勝ち方を見る、ルールの確認をする目的が大きいでしょうか。進行の一例は以下の通り。
飛車角をぶんぶん回していたら龍と馬ができました。成るという動作に慣れましょう。あとは玉を寄せるだけですが、このときむやみに王手をしすぎると逃してしまいます。上手の駒を取れないので下手の駒が少ないこともあり、上部に逃すとくろうします。とはいえその「下段に落とすスキル」があればこれは手合い違い。(図で▲52馬など)
【8枚落ち】
上手側に金の守備が付きました。とはいえそのうち一枚は右辺(9筋方面)の守りに釘付けになります。
ということで8,9筋は相手にせず棒銀をしましょう。上図から▲24歩とし、△同歩▲同銀△23歩に▲同銀成とできるようなら「数の攻め」を理解した証拠。あとは寄せるだけです。私自身は、上手を持つ場合、棒銀がさばければあとは無駄な抵抗はしないように心がけています。
【6枚落ち】
6枚落ちは9筋と1筋どちらも破れるのですが、私の好みは9筋です。(あ、駒落ちの場合は正式に上手が△扱いです。)
数の攻めで端を破ったら、あとは成駒を作る。▲92香成△73銀▲93角成と、順調に攻めましょう。
以下△54歩となった上図で▲81成香とすると紛れます。動けるマス目から考えて、成香の働きが3になってしまいます(最大は6ですね)。
ここから▲94馬〜▲93成香と、「成駒を引いて使う」ことができるようになれば6枚落ち卒業は時間の問題でしょう。
以上が10,8,6枚落ちのごく簡単な概要でした。寄せに関しては慌てずぼちぼち行けばだいたいなんとかなります笑。ただし△57歩成(他の成駒でも)を無条件で許すと勝ちづらくなるので注意です。
最後に、自玉を囲うかどうかの問題について。今回扱った範囲では、上手から勝ちに行く手順がありません。ですのでゆっくり自陣を整備してもいいのですが、上手からすると8枚落ちで矢倉なんかに囲われると一気にメンタルに来ます笑
最短手順で斬って上げてください笑
4枚落ちからは結構勝負の手合いなので、指導対局などでも玉を囲ってもいいと思います。あくまで個人の意見ですが。
(参考)武者野勝巳『将棋実力初段検定』(マイナビ)p68から引用。
「(前略)ですから、攻め筋に多少工夫が必要になりますが、本当に将棋を理解し、強くなるためには、たとえ六枚落ちでも玉を囲ったほうがよいと思います。」
という考えも十分考えられます。
四枚落ち以降はまた今度…