みずたま将棋ブログ

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次の一手上達法【振り飛車編】

先日のエントリーで、次の一手問題を通して居飛車の手筋を紹介しました。すでにご存知の方は多いと思いますが、居飛車戦は互いの囲い(守備陣)が相手の攻撃陣の目の前に位置している関係で、必然的に盤面全体の戦いとなります。

 


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【矢倉戦の例】

 

これに比べて振り飛車居飛車の対抗型では、戦いが始まってしばらくは、互いの攻撃陣同士のつばぜり合いとなりやすい構造になっています。

 


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三間飛車の定跡型】

 

この点で対抗型は、攻撃陣側(居飛車から見た右辺)での知識量が物を言います。こう言われるとなんだか不安になりますが、しかし反面、盤面全体を意識しなくていい分相居飛車よりも暗記しやすい、覚えやすいのではないでしょうか。

 

こうした部分的な知識が頻出するという意味では、振り飛車戦の定跡は、定跡というよりも囲碁でいう定石の要素が強いかもしれません。

 

そこで有効になるのが次の一手本での基礎トレです。いくつかおすすめ本を挙げておきましょう。

 

【1】『手筋の達人2』武者野勝巳


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ツイッターではもうしつこいくらいに紹介してるので詳細は省きますが、居飛車目線、振り飛車目線両方の章があり、どちら党にもおすすめできます。

【2】『四間飛車定跡コレクション』所司和晴


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最近出た本ですが、昔からあるクラシックな定跡を無駄なくまとめてありボリューム満点です。

 

【3】『四間飛車を指しこなす本1』藤井猛


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既出ですので特に付け足すことはないのですが、有段者の四間飛車党でもこの本の内容でうっかりすることがあるようです。基本は大事ですね(ほぼ自戒笑)。

 

個人的におすすめの読み方は、1)まずは答えがわからなくても一通り一冊(多ければ一章で構いません)を読み通す(無知から既知へ)。2)わからなかった問題については解説を読み込む(理解する)。3)大体の問題を理解したら、速さを意識して流し読みする。(わからなかった問題にはマークをつけるなど)このとき、正解率は8割くらいでもいいのでスラスラページをめくるリズムを大切にする(再認)。解説文のフレーズを覚えるくらいまでいったら、もう一区切りでいいでしょう笑

 

また、ノーマル振り飛車を指す上で意識したいのが、ぶつかった歩を取らないことです。先日のエントリー「歩(駒)がぶつかったら取れ」と矛盾するようですが、それでも初級〜初段くらいのうちはぜんぶ取って構いません。そうして得られた失敗は、大抵において、再度出現する可能性が高い点で、次に生きる経験です。


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【歩を取らないで失敗を回避するのは簡単だが、取ることで得られる知識もある。】

 

なぜ歩を取らないほうがいい場面が多いのか。それは、歩を取ることが、歩得や歩損という量的な面の他に、争点を変えるという質的な損得ことにつながることが多いからと言えます。この辺の具体的な例は本を読む上で嫌というほど直面するでしょうから、意識してみてください。

 


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棒銀が5段目に出られるのは、振り飛車が△35歩と取ったときだけ】

 


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これは『手筋の達人2』の第21問目です。ここでは振り飛車党ならひと目の筋があります。こうした局面での、一歩の損得とかいう話よりも大きい質重視の手は振り飛車戦ではよく出てくるわけです(さばきの概念)。※正解は65歩

 

こうした量と質の二軸の思考が(潜在的にではあっても)あるのが振り飛車の面白さであり難しさでもあると思います。

 

以上、簡単ではありますが振り飛車の次の一手本の読み方を見てきました。本の読み方は人によって千差万別ですが、いずれにしてもこうして、次の一手を効率的にこなして定跡を覚えることで、実際の対局時に中終盤でじっくり考える時間を残すことができるでしょう。逆説的ですがここで強調したいのは、あくまで将棋は終盤力だということです。終盤に時間を残すために、序盤はサクサク飛ばしてしまいましょう。知識があると、格上を序盤で突き放して勝つなんていう気持ちいいこともあるかもしれませんよ。